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夏の甲子園開催しても... 5月判断では「時間が足りなすぎる」、常連校関係者から不安の声

   日本高野連は2020年4月15日、第102回全国高校野球選手権大会(8月10日開幕・甲子園)の第2回運営委員会を5月20日に延期することを決定した。当初、同運営委員会は4月22日に予定されていたが、新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣言を受け、延期することになった。高野連は開催可否に関して5月中に何らかの方向性を打ち出す方針で、高野連の判断に注目が集まる。

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生徒の親からも不安の声が

   夏の甲子園の開催へ向けて、事態は深刻さを増している。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、4月15日までに全国の43都道府県で春季大会の地方大会、県大会の中止が決定。加えて緊急事態宣言により全国的に部活動の再開のメドが立たない状況が続く。6月下旬から夏の甲子園の地方大会が始まる地域があるなかで、高野連は運営委員会さえ開催出来ない状況に陥っている。

   夏の甲子園は開催できるのか。九州の甲子園常連校で指導する関係者は「生徒の精神面が心配です」とこぼす。この学校では3月中旬以降、部活動が制限されたため、野球部の全体練習は約1カ月間、行っていないという。体力の低下を不安視する生徒がいる一方で、先行きが見えない状況に生徒の親からも不安の声が上がっているという。

「生徒たちはみな、夏の大会が開催されることを信じて各自、素振りなどの自主練をやっていますが、ピッチャーは投球練習が出来ずにいます。春季大会が中止となり、実戦練習が出来ず、生徒の不安は増しています。最近になって親御さんからの相談の数も増えました」(前出の関係者)

「投げ込みが少ないピッチャーの体力がもつかどうか」

   春の選抜大会は、無観客開催を視野に入れながら開催の道を模索したが、史上初の中止に追いやられた。高野連が選抜大会の中止を決定してから1カ月以上が経過するも、ウイルスの感染状況は一向に好転することなく、緊急事態宣言が発令される事態に発展。選手、学校関係者の安全確保が最優先されるなか、早い地域では約2か月後に地方大会が迫っており、残された時間は多くはない。

   前出の関係者は「5月中に開催の可否が決まると言われていますが、そこから地方大会に向けて準備するのは時間が足りなすぎる。運営に関しても間に合うかどうか分かりません。何よりも生徒の体調が不安です。練習が不足している分、体力は落ちます。地方大会が始まる7月になれば猛暑が続きます。投げ込みが少ないピッチャーの体力がもつかどうか。今は不安しかありません」と心境を吐露した。