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櫻井翔ZERO「微熱」欠席の素晴らしさ テレビ界の「働き方改革」一気に進む

   「嵐」の櫻井翔さん(38)が、2020年4月27日放送の「NEWS ZERO」(日本テレビ系)を、体温が平熱よりも高いとして欠席したことが視聴者の間で話題になっている。

   新型コロナウイルスの流行が続く中での櫻井さんの「大事を取る」との判断に対し、視聴者の間ではツイッター上を中心に、「自分のことより周りの人を思っての正しい判断で本当に優しい人...」といった声が続々と上がるなど、その判断を支持する声が広がった。

  • 「NEWS ZERO」のサイトから
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相次ぐ「大事を取って」の欠席

   番組冒頭、自宅からの電話出演となった櫻井さんは、「本日夕方頃に体温を計りまして、平熱より少し高かったんですよね」と、体調の異変を報告。「高熱というわけではないですが、今は無理をするという選択より大事を取る選択が重要かなと」と、同日の放送を欠席した理由を明かした。

   このところ、櫻井さんと同様の判断でテレビ番組を欠席する出演者が相次いでいる。24日には、「ひるおび!」(TBS系)に出演する江藤愛アナウンサー(34)が、やはり、体温が平熱よりも高いとして欠席。番組司会の恵俊彰さん(55)が、「大事をとってお休みということになります」と、欠席の理由を伝えた。なお、江藤アナは27日と28日も欠席している。

   また、「追跡LIVE!SPORTSウォッチャー」の土日レギュラーを務めるビビる大木さん(45)は19日の同番組を、体温が37.0度あるとの理由で欠席。25日の放送には、平熱には戻ったとしつつも自宅からの出演とし、「こういう状況なので、症状が出ていなくても念には念のための行動を!」と、視聴者に呼びかけた。

   このほか、21日には「バイキング」(フジテレビ系)の火曜日レギュラーを務めるミッツ・マングローブさん(45)が、発熱と味覚障害があるとして同番組を欠席。ミッツさんは同番組にコメントを寄せ、味覚障害ということで新型コロナウイルスへの感染が疑われるとしつつ、PCR検査は受けられていないと公表。1週間後の28日には番組に再度コメントを寄せ、体調が回復傾向であることと5月10日まで自宅隔離を続けることを明かした。

確実に「世界」は変わった

   新型コロナウイルスの流行以前はあまり見られなかった、これら、出演者が「大事を取って」欠席するという現象。以前であれば、それこそ37度台の熱であれば、無理を押してでも出演していたタレントは多かったことだろう。

   実際、新型コロナウイルス感染が明らかになった「報道ステーション」(テレビ朝日系)の富川悠太アナ(43)は、平熱に戻っていたとはいえ、体調不良を感じつつも仕事を続け、結果的に残念ながら問題が大きくなったのは既報の通りだ。

   しかし、確実に「世界」は変わった。これは何も出演者だけの話ではなく、番組スタッフにも言えることであり、これまでのように体調不良を押して勤務することは、もはや、全く称賛されることではなくなったのだ。そう考えると、2016年頃から盛んに言われるようになった「働き方改革」が、「結果として」新型コロナウイルスの流行によりテレビ業界で浸透していく可能性もあり得る。

   また、感染者が出る前の対策も進んでいる。テレビ番組の出演者が2班体制となる例が相次いでいるのだ。

   6日には、「めざましテレビ」(フジテレビ系)に出演する久慈暁子アナウンサー(25)がインスタグラムで、同番組の出演者が2班体制に移行したことを公表。また、8日には、「グッド!モーニング」(テレビ朝日系)が、やはり2班体制になったことを番組内で発表した。このほか、20日には「おはよう日本」(NHK総合)で2班体制がスタート。このため、20日~24日は高瀬耕造アナウンサー(44)が、翌週27日~5月1日は桑子真帆アナウンサー(33)が登場するという変化がもたらされた。感染症の流行という突発的な出来事が、テレビ業界の地殻変動の一端となりそうな気配が、今、正に広がりを見せ始めている。

(J-CASTニュース編集部 坂下朋永)