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国際郵便、4月から「ストップ」続く 首相会見で質問したのはインドネシア記者

   新型コロナウイルス感染拡大の影響で、日本から多くの国に郵便物が送れず、手紙のやり取りもできない状態が1か月以上続いている。多くの国が国際郵便物の受け入れをストップしている上、日本と国外を結ぶ航空便が大幅に減便・運休になり、輸送ルートが途絶えているためだ。

   2020年5月14日に開かれた安倍晋三首相の記者会見では、インドネシア人の記者がこの問題を質問。安倍氏は「国際郵便のサービスができるだけ早くに供給できるように、我々も努力していきたい」などと応じたが、この問題を知らなかった人も多かったようで、ツイッターでも反響があった。

  • 航空便の激減で多くの国に郵便が出せない状態が続いている(写真はイメージ)
    航空便の激減で多くの国に郵便が出せない状態が続いている(写真はイメージ)
  • 航空便の激減で多くの国に郵便が出せない状態が続いている(写真はイメージ)

196か国・地域に航空便が送れない状態に

   インドネシア人記者は安倍氏の記者会見で、日本からの国際郵便サービスの多くが、インドネシア行きのものを含めて4月1日から停止していることを指摘。

「手紙も送れない。外国人として、郵便局は大変世話になったので、大変大事だと思う。今、止まっている国際郵便は御検討いただけないでしょうか」

などと訴えた。

   この記者が指摘したように、日本からの国際郵便は大半がストップしている状態が続いている。日本郵便は4月1日、4月2日から126か国・地域宛ての航空便、27か国については船便を含むすべての郵便物の引き受けを一時停止することを発表。4月24日には、受け入れ停止の対象を航空便146か国・地域、すべての郵便物について50か国・地域に拡大している。航空便の引き受け停止をしている国には米国や中国も含まれており、「航空扱いとする書状、郵便葉書及び盲人用郵便物」のみを引き受ける、としている。

   引き受け停止の対象になっていない国・地域はアジアや欧州が多く、韓国、シンガポール、タイ、台湾、フィリピン、ベトナム、香港、マカオ、マレーシア、カナダ、メキシコ、アイスランド、イギリス、オランダ、カザフスタン、ドイツ、フランスなど。これらの国・地域についても、多くは

「日本から発送するまでに遅延が生じています」
「配達は非対面の方法等で行います」

といった注釈がついている。

「ほとんどの旅客便がない中において、残念ながらお届けできていない」

   安倍氏は質問への答弁で、郵便を航空便で送る際には貨物便と旅客便を利用する場合があり、インドネシアについては旅客便が中心になっているため

「今、ほとんどの旅客便がない中において、残念ながらお届けできていない、大変申し訳ないと思う」

などと説明。再開の見通しについては

「しばらくは難しいかもしれないが、国際郵便のサービスができるだけ早くに供給できるように、我々も努力していきたい」

とした。

   質問した記者は、インドネシアの大手ニュースサイトのひとつ「トリビューンニュース」で、安倍氏の発言を紹介しながら

「日本の首相は、この件について大きな関心を払っている」

などと報じた。

   なお、国際郵便がストップしている国・地域でも、DHLやフェデックスといった民間運送会社を利用すれば荷物を送れる場合があり、個別に確認が必要だ。

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)