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自宅バイクに「自粛しろ」落書き 県内ナンバーなのに...「自粛警察」に呆然

   「これはやり過ぎ」。所有するバイクのナンバープレートに「自粛しろ」と落書きされていたと、「被害」に遭った男性がツイッターで悲しみを訴えた。

   新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大とともに、感染防止のための自粛を過度に強いる「自粛警察」や、県外ナンバーに嫌がらせをする「他県ナンバー狩り」といわれる行動が問題化している。ただこの男性が当時バイクを置いていたのは自宅駐輪場で、ナンバーも県内のものだった。

  • バイクに書かれた「自粛しろ」の文字(写真提供「悪魔のz乗りジョルノ」さん。編集部でナンバープレートの数字等にボカシ加工しています)
    バイクに書かれた「自粛しろ」の文字(写真提供「悪魔のz乗りジョルノ」さん。編集部でナンバープレートの数字等にボカシ加工しています)
  • バイクに書かれた「自粛しろ」の文字(写真提供「悪魔のz乗りジョルノ」さん。編集部でナンバープレートの数字等にボカシ加工しています)
  • 男性が乗っているバイク(写真提供「悪魔のz乗りジョルノ」さん)

県外ナンバーでもないのに...

   兵庫県に住むツイッターユーザーの10代男性「悪魔のz乗りジョルノ」さんは2020年5月17日午前、「おい自粛警察」「これはやり過ぎやぞほんまに」として、自身のバイクの写真をアップした。本物の警察にとめられて減点されかけたというそのバイクのナンバーには、4ケタの数字の部分に黒いペンで「自粛しろ」と書かれてしまっている。警察には「悪質ないたずら」を受けたと説明したという。

   「濡れタオルやったら落ちんかったから油性やろうな」といい、同日午後、ホームセンターで購入した道具でどうにか消せたことを報告。また、落書きされたのは「家の駐輪場だと思われます。カメラは1つだけあるのですが、一瞬映るか映らないか。という所です」と、なんと自宅とみられることも明かしている。

   国土交通省のウェブサイトによると、ナンバープレート取り付けについては16年4月の道路運送車両法や道路運送車両法施行規則などの一部改正で基準が明確化。もともと「見やすいように表示しなければならない」ことが規定されていたのに加え、「汚れた状態とすること」などが禁止された。

   男性は18日、J-CASTニュースの取材に「とても大切にしている愛車なのでほんとに腹が立ちました。きれいに消せたのでもう怒ってはないですが」として、不思議そうに話す。

「自宅の駐輪場に止めていて、県外ナンバーでもないのにこんな事されるんだ、と今は思ってます。やられてすぐは怒りでそんな事考えられませんでした」(男性)

なぜ落書きされたのか?

   新型コロナの影響で問題化した「自粛警察」や「ナンバー狩り」は、営業中の店舗や、スーパーなどでの県外ナンバーの車に対する嫌がらせの横行として主にクローズアップされてきたが、男性のケースは自宅だったといい、バイクのナンバーも居住県内の神戸ナンバーだった。

   それなのに「自粛」を強要されたことについて心当たりはあるだろうか。男性は「1人暮らしなのでバイクで買い物とかにはよく行ってました。バイクを弄るのが好きで、自粛期間もたまにやっていた事はありました。ソロツーリングも何回か行きました。こんな悪戯されるような心当たりはこれくらいしかないです」と最近の暮らしぶりを明かしている。自宅でバイクのメンテナンスをしているところや、外出するところを見た誰かが、落書きに及んだ可能性もある。

   落書きされる前に最後にバイクを見たのは16日22時ごろで、17日10時ごろからの乗車中に落書きに気付いた。夜間から翌朝にかけて何かが起きたことになる。警察への相談について男性は「今回は綺麗に消す事ができたので警察に相談するつもりはありませんが、次このような悪戯をされたら警察へ行こうと考えてます」と話している。