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界面活性剤で押さえておきたい「安全上の注意点」 経産省「5種がコロナ消毒に有効」だが...

   経済産業省は2020年5月22日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の予防について、5種の界面活性剤で消毒ができると判断したことを発表した。実際に有効性の調査を進めていた独立行政法人の製品評価技術基盤機構(NITE)は、有効成分が含まれる具体的な商品名・メーカー名をリストアップした資料を公開しており、花王の「バスマジックリン」などが含まれる。

   この結果を受け、経産省とNITEは消毒方法のポスターを制作。「手指・皮膚には使用しないでください」「スプレーボトルでの噴霧は行わないでください」といった安全上の注意をあわせて告知している。

  • 経産省とNITEのポスター1枚目
    経産省とNITEのポスター1枚目
  • 経産省とNITEのポスター1枚目
  • 経産省とNITEのポスター2枚目

「消毒方法の選択肢が広がることが期待できます」

   経産省は、家庭や職場で不足が続くアルコール以外の消毒方法の選択肢を増やすため、NITEに調査を要請していた。これを受け、NITEは国立感染症研究所や学校法人北里研究所と共同し、検証試験を進めていた。

   NITEは22日の発表で、次の5種類の界面活性剤が新型コロナウイルスに有効と評価したことを発表。「これらの物資は住宅・家具用洗剤等に使われており、今回の検証で、新型コロナウイルス対策のための家庭や職場における消毒方法の選択肢が広がることが期待できます」としている。

・直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(0.1%以上)
・アルキルグリコシド(0.1%以上)
・アルキルアミンオキシド(0.05%以上)
・塩化ベンザルコニウム(0.05%以上)
・ポリオキシエチレンアルキルエーテル(0.2%以上)

   NITEはこれらの界面活性剤が含まれる製品もリスト化して公表。花王の「バスマジックリン」「トイレマジックリン 消臭・洗浄スプレー」、ライオンの「ママレモン」、P&Gの「ジョイ コンパクト」、サンスターの「輝き洗剤 キーラ」など、100製品以上を具体的にあげている。なお、製品のラベルやウェブサイトなどでも、成分として含まれている界面活性剤が確認できる。

「作り置きした液は効果がなくなる」

   経産省とNITEはポスターを作成し、洗剤うすめ液の作り方、拭き取り方や、水拭きと乾拭きの必要があることなどを示した。さらに、安全上の注意として、

・手指・皮膚には使用しないでください。
・スプレーボトルでの噴霧は行わないでください。

という2点を強調。また効果的な消毒方法として、次の3点をあげている。

・作り置きした液は効果がなくなるので、洗剤うすめ液は、その都度使い切りましょう。
・台所用洗剤でプラスチック部分(電話、キーボード、マウス、TVリモコン、便座とフタ、照明のスイッチ、時計など)を拭いた場合、そのまま放置すると傷むことがあります。必ず、すぐに水拭きしましょう。
・塗装面(家具、ラッカー塗装部分、自動車の塗装面など)や、水がしみこむ場所や材質(布製カーテン、木、壁など)には使わないでください(シミになるおそれがあります)。

   こうした発表を受け、ツイッター上では23日「界面活性剤」がトレンド入り。「絶対に口にしたらいけないもの(子供が口に入れるような物は除菌後再拭き取り必要)があって間違える人は間違えると思うの...」「皮膚や手指に直接使ったり、ましてやうがいなどに使うのはNG 注意喚起もよく読んで」と利用上の注意を呼び掛ける声もある。