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プロ野球、今年ブレイクしそうな若手を聞く 「メンタルの強さ」太鼓判のエース候補

   プロ野球の練習試合が2020年6月2日から始まった。新型コロナウイルスの影響で約3カ月、公式戦の開幕が延期され、ようやく野球ファン待望のプロ野球が幕を開ける。

   昨シーズンはセ・パ両リーグで多くの若手が台頭したが2020年シーズンはどうなるか。J-CASTニュース編集部は楽天の元ヘッドコーチ橋上秀樹氏(54)を取材し、今年ブレイクしそうな選手を選出してもらった。

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西武・今井は「ストレートのキレ」も増し要注目

   今シーズン、橋上氏がブレイクを予想する3投手のうち、1人目は西武の今井達也投手(22)だ。作新学院で夏の選手権大会を制し、2016年のドラフト1位で西武に入団。プロ2年目の18年6月13日のヤクルト戦で先発デビューしプロ初勝利を挙げた。18年は5勝をマークし、19年は22試合に先発して7勝を挙げた。橋上氏は今井の投手としての能力を次のように評価する。

「昨シーズンもそこそこ勝っていますが、素材としてはエース級だと思います。とにかくメンタルが強い。ある意味ふてぶてしいというか、大投手に不可欠なメンタルの強さがあります。もともとストレート、スライダーに定評がありますが、ストレートのキレが増してきました。今井投手については喫煙問題などもありましたが、今は精神的に大人になったと思います。今シーズン、非常に楽しみな選手です」(橋上氏)

   橋上氏が次に挙げたのがDeNAの上茶谷大河投手(23)。上茶谷は東洋大から2018年のドラフト1位でDeNAに入団。多彩な変化球を持つ上茶谷はルーキーイヤーの昨年(19年)、ローテーションの一角を担い、24試合に先発して7勝6敗。今シーズンはさらなる飛躍が期待される投手だ。

「上茶谷投手の昨シーズンの球団別の対戦成績を見ると少し偏り(7勝のうちヤクルト戦が4勝)があります。対戦球団によって苦手意識があるのか分かりませんが、メンタル面でムラが出ないようにし、どのチームからも勝ち星を挙げられるようになれば2ケタは十分に届くと思います。DeNAの投手陣は12球団でもトップクラスですので、上茶谷投手が2ケタをマークすればチームも上位にくるでしょう」(橋上氏)

「スタミナ的な問題をクリアすれば先発でも...」

   橋上氏がブレイクしそうな3人目に挙げたのがヤクルトの長谷川宙輝投手(21)だ。長谷川は高校時代、全国大会とは無縁だったものの2016年のドラフトでソフトバンクから育成2巡目で指名を受けて入団。育成3年目を終えた昨年11月に支配下選手としてヤクルトに移籍した。

「オープン戦で長谷川選手の投球を見ましたが、内容が非常に良かったです。当面は中継ぎとしての起用になると思いますが、スタミナ的な問題をクリアすれば先発でもいけると思います。現在、ヤクルトの先発を6人挙げるのが難しい状態にあります。長谷川投手は左ですので先発に回る可能性もあると思います」(橋上氏)

   野手で橋上氏が期待を寄せるのは、ロッテの安田尚憲内野手(21)だ。プロ3年目を迎える安田は、日ハムの清宮幸太郎内野手(21)と同学年で、履正社高時代に通算65本塁打を記録し「東の清宮、西の安田」と称された。2017年のドラフト1位でロッテに入団。188センチ、95キロの体格を誇る大型内野手として注目される。

「実力的には新人王を獲得できる選手だと...」

「今年は鈴木大地選手が楽天に移籍したので、安田選手にとっては大きなチャンスです。3塁のポジションをレアード選手と争うことになりますが、安田選手の守備は安定してきています。レアード選手がDHの時にはチャンスが巡ってくると思います。安田選手の長打力は魅力的で今シーズンに大化けする可能性があると思っています」(橋上氏)

   そしてもう一人、野手でブレイクを予感させる選手は楽天のドラ1ルーキー小深田大翔内野手(24)だ。近大から大阪ガスを経て2019年のドラフト1位で楽天に入団。50メートル5秒9の走力に定評があり、即戦力として期待がかかる。

「オープン戦で小深田選手の動きを見ましたが、新人の中ではあたま一つ出ていた感じです。レギュラーを獲得する可能性も十分あると思います。レギュラーで試合に出場すれば、そこそこの数字を残すでしょう。社会人野球を経験していますし、体幹がしっかりしている印象です。実力的には新人王を獲得できる選手だと思います」(橋上氏)