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仙台上空に未確認飛行物体 研究用無人飛行機?憶測に福岡大学「うちのものではない」

   2020年6月17日朝〜昼にかけて宮城県仙台市などの上空で白色の「未確認飛行物体」が確認されたと話題になっている。

   ツイッター上ではその正体が、福岡大学などが研究で用いたUAV(無人飛行機)ではないかという憶測も広がったが、福岡大学の広報担当者はJ-CASTニュースの取材に対し「うちのものではない」と否定した。

  • 仙台の未確認飛行物体は「うちのものではない」と福岡大学が否定(画像は九州大学大学院飛行力学研究室公式サイトより)
    仙台の未確認飛行物体は「うちのものではない」と福岡大学が否定(画像は九州大学大学院飛行力学研究室公式サイトより)
  • 仙台の未確認飛行物体は「うちのものではない」と福岡大学が否定(画像は九州大学大学院飛行力学研究室公式サイトより)

「なんなのこれ?」「使徒かな?」

   宮城県の地元紙・河北新報は17日に「河北新報オンラインニュース」で、17日朝に仙台市南西部の上空で風船のようなものが浮かんでいるという目撃例をもとに「仙台上空に未確認物体 午前4時ごろには浮遊 気象台『全くもって不明』」という記事を掲載した。同社の屋上から撮影したという物体の写真を見ると、白い風船が十字状のものをぶら下げて空を飛んでいる様子がわかる。記事の中で、仙台管区気象台は物体について「全くもって不明。宮城県、仙台市、自衛隊に聞いても分からない」とコメントしている。

   ツイッター上でも17日朝から昼にかけて宮城県や福島県のユーザーから物体の目撃報告が相次ぐとともに、「なんなのこれ?」「使徒かな?」と驚きの声が聞かれた。また、同時間帯には「#未確認飛行物体」「仙台上空」といったワードが日本のツイッタートレンド上位に入った。

2012年の「報告」画像が拡散

   物体の正体について憶測が広がる中、一部では九州大学大学院の飛行力学研究室の公式サイトに掲載されているエアロゾル(大気中の微粒子)観測用のUAVの写真と酷似しているという指摘があった。写真を見ると、今回目撃された物体と同じように白い風船のようなもの下に、小さい飛行機のようなものがつけられている。写真の隣には、

「このUAVで南極昭和基地付近において高度9000m付近までのエアロゾル観測と観測後のセンサ・機体の自律滑空回収実験を実施予定です。福岡大学林研究室との共同研究です」

   と書かれている。この報告は2012年6月23日のものだ。

   この写真と文章を切り取った画像がツイッター上で出回ったことにより、福岡大学が今回の物体を飛ばしたのではないか、という憶測が広がった。

   こうした状況を受け、J-CASTニュースは福岡大学の気圏物質科学研究室の林政彦教授に取材を申し込んだ。林教授に直接話を聞くことはできなかったが、広報担当者を通じ、今回話題になっている物体について「うちのものではない」と否定した。