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巨人・原監督「公開説教」は期待の裏返し? 乱調沢村に「愛のムチ」も...

   プロ野球の巨人が2020年7月1日、東京ドームでDeNAと対戦し3-5で敗れた。初回、増田大輝内野手(26)と丸佳浩外野手(31)の1、2番コンビで先制点を演出。4回は4本のヒットで2点を追加しリードを広げた。巨人先発C.C.メルセデス投手(26)は5回1失点でまとめたが、6回2死から死球とヒットで1、2塁としたところで降板。7回以降は中継ぎ陣がリードを守り切れず敗戦。チームは首位を死守したものの、2位DeNAと0.5ゲーム差となった。

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指揮官が腕組みで沢村をベンチで叱責

   開幕から11試合目にして「勝利の方程式」にほころびが見え始めた。2点リードの7回。マウンドに上がったのはセットアッパー中川皓太投手(26)だ。中川は先頭・梶谷隆幸外野手(31)にレフト前に運ばれ1死後、タイラー・オースティン外野手(28)に四球を与えて1死1、2塁のピンチに。佐野恵太外野手(25)の投手ゴロの間にランナーが進塁し、2死2、3塁の場面で宮崎敏郎内野手(31)の打球はボテボテの投手ゴロだったが、中川がこれをキャッチできず1点を許した。中川自身、今シーズン初の失点となった。

   試合の流れがDeNAに傾き始めた8回、4番手・沢村拓一投手(32)が乱れる。自慢の直球は最速156キロを計測するもストライクが入らない。先頭・乙坂智外野手(26)を四球で歩かせ1死後、楠本泰史外野手(24)に再び四球。1死1、2塁となったところで原辰徳監督(61)は迷わず沢村を下げて高木京介投手(30)を投入。その高木は2死満塁からオースティンに走者一掃の3塁打を許し試合をひっくり返された。

   指揮官のイラ立ちの矛先は乱調で降板した沢村に向けられた。ベンチ内で沢村を呼びつけ「公開説教」を行った。原監督は腕を組みながら沢村を叱責。原監督が試合中にベンチ内で選手を説教するシーンは珍しく、投手陣のリーダーになるべき32歳のベテランの「失態」によほどご立腹したとみられる。裏を返せばそれほどまでに沢村に期待をしていたということ。原流の「愛のムチ」だったのかもしれない。

コロナ影響、ただでさえ負担増しかねないリリーフ陣

   この日、原監督の怒りの導火線に火をつけたのが先発メルセデスだ。5回まで1失点と好投を見せ、6回はツーアウトまで取りながら死球とヒットでピンチを招いた。昨シーズンは6回以降、突如乱れることが多く、5回までと6回以降では「別人」のようだと指摘されていた。6回以降の投球が今シーズンの大きな課題であったが、この日はデータ通りの結果となり、交代を告げる指揮官の表情は厳しかった。

   今シーズンは新型コロナウイルスの影響でレギュラーシーズンが120試合に短縮された分、例年のシーズンよりも連戦が多くなる。接戦が続けばリリーフ陣の負担が増えることは目に見えており、首脳陣としては先発陣に最低6回、できれば7回あたりまでは踏ん張ってほしいというのが本音だろう。勝ちゲームが続く巨人は「勝利の方程式」の救援陣が登板する機会がおのずと増えているだけに先発の役割は大きい。

   チームは連勝がストップし今シーズン3敗目。2位DeNAには再び0.5ゲーム差につめられた。2日のDeNA戦で敗れればDeNAに首位の座を明け渡すことになる。指揮官の「公開説教」はナインの奮起につながるのか。2日の首位攻防戦の先発のマウンドには桜井俊貴投手(26)が上がる。