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NGT48インタビュー 1年9か月ぶりシングルで「新しい印象をお届けできるのでは」

   新潟県を拠点に活動するNGT48が、5枚目のシングル「シャーベットピンク」を2020年7月22日に発売する。センターポジションに選ばれたのは、新潟市出身の藤崎未夢(みゆ)さん(19)。正規メンバーになる前の「研究生」と呼ばれるポジションから初めての抜擢だ。

   NGT48にとって新曲発売は1年9か月ぶり。この間、グループには世論から厳しい目も向けられたこともあったが、グループのエースとも言える本間日陽(ひなた)さん(20)は20年1月に初のソロコンサートを実現させるなど、活動の幅を広げてもいる。藤崎さんと本間さんに、新曲発売で踏み出す「新たな一歩」に向けた意気込みを2回にわたって聞いた。(聞き手・構成:J-CASTニュース編集部 工藤博司)

  • NGT48の本間日陽(ひなた)さん(左)と藤崎未夢(みゆ)さん(右)。新曲「シャーベットピック」では手で「N」の文字をつくる振り付けがある
    NGT48の本間日陽(ひなた)さん(左)と藤崎未夢(みゆ)さん(右)。新曲「シャーベットピック」では手で「N」の文字をつくる振り付けがある
  • NGT48の本間日陽(ひなた)さん(左)と藤崎未夢(みゆ)さん(右)。新曲「シャーベットピック」では手で「N」の文字をつくる振り付けがある

「何をしてたの? 久しぶり」に重ねるファンとグループの関係性

―― NGT48の楽曲といえば「Maxとき315号」のように、どちらかと言えば冬のイメージが強いですが、今回の表題曲「シャーベットピンク」は、初めての「夏曲」です。アップテンポな曲調で、キラキラ感を含めて、まさに「48グループの王道」という印象です。お二人にとって、どんな印象の楽曲ですか。

藤崎: 今までのNGT48の曲のイメージとはちょっと違った、アイドルらしいキラキラした感じの曲だな、ということを最初のイメージとして持ちました。1年9か月ぶりにシングルを出させていただけるということで、新しい一歩を踏み出すという上で、新しいNGT48の印象をお届けできるのでは、と思いました。
本間: すごくわくわくするようなイントロで、きっとライブでやったら盛り上がるんだろうな、というのがすごく想像できて...。まだファンの皆さんの前ではお披露目できていませんが、すごくお披露目するのが楽しみな曲です。

―― ミュージックビデオ(MV)は、全員が集合するダンスシーンと、出演メンバーごとのシーンに分かれています。後者は夏の日に恋人に再会するシーンをイメージしているとのことですが、それぞれに役柄や設定があるそうですね。

藤崎: 私は同い年の男の子と2年ぶりに再会する、という設定です。懐かしいお話をしながら、カメラで写真の取り合いっこをしたりするお散歩デートみたいな感じでした。

―― 7月10日のLINE LIVEの番組では、中井りかさん(22)が藤崎さんについて「バブみ強すぎて」と言っていました。

本間: 赤ちゃんのように、つるんとしてて、愛でたくなるような感じです。

―― 本間さんの役柄はいかがですか。

本間: 私も同級生の男の子と再会する役柄です。相手が同い年なので大学3年生という設定で、帰省してきて久しぶりに会うというイメージでした。

―― 歌詞には「元気だったかい? 何をしてたの? 久しぶり」という一節があります。新曲リリースが1年9か月だということもあり、NGT48とファンとの関係性と重ねて受け止める人も多そうです。

本間: はい、そうですね。自分たちもそこを歌っていて、そういう気持ちのほうが近いというか、ファンの人たちにやっとお届けできるという、「久しぶり」という自分たちの気持ちとリンクさせて歌っています。

「全員選抜」で「みんながオリジナルメンバー」

―― 過去のシングル4枚では、表題曲は「選抜メンバー」として選ばれた人が担当してきましたが、今作品は全メンバー30人による「全員選抜」です。本間さんは全5作品で選抜入りしたことになりますが、これまでの4作品と今回の「全員選抜」で、パフォーマンスやMV撮影の際に何か違いを感じることはありましたか。

本間: 現メンバー30人で初めて曲を頂きました。これまでは(NGT48の代表曲のひとつである)「Maxとき315号」は1期生だけで歌ったりしていましたが、みんながオリジナルメンバーで一緒に気持ちを込めて歌える曲が増えたのは、すごく嬉しいと思います。

―― 全員でパフォーマンスするとなると、グループ全体の団結感も高まった感じですか?

本間: そうですね。やっぱり、1人1人がオリジナルメンバーであるというのはすごく意味のあることだと思います。

―― 藤崎さんはこれまで選抜メンバーに選ばれず、今作品で「初選抜」です。

藤崎: 表題曲を歌わせていただけるのが、NGT48というグループに加入するうえでの一つの目標でもあったので、選抜に選んでいただいたというのはすごく嬉しかったです。

―― 前作の「世界の人へ」(18年発売)のMVは新潟市の姉妹都市、ロシア・ウラジオストク市で撮影されましたが、今作品は表題曲・カップリング曲ともに新潟県内で撮影されました。「シャベーベットピンク」のダンスシーンは「新潟西海岸突堤」(新潟市中央区)での撮影でした。これまでのMVとは違った雰囲気ですが、振り入れ(振り付けを覚えること)は難しかったですか?

本間: 振り入れはレッスン場でしたが、場当たり(編注:現場で立ち位置を決めたり動きを確認したりすること)や当日の撮影は、陸地から200メートルぐらい離れた場所で、ドローンを使って行われました。撮影するときにスタッフさんは自分たちと離れたところにいたので、現場の雰囲気作りはメンバー30人が、みんなで「このシングルを完成させよう」っていう気持ちで、一丸となって臨めたと思います。

MV撮影はメンバーの間隔を2メートル開けて...

新曲「シャーベットピンク」のミュージックビデオは「新潟西海岸突堤」で撮影された。メンバーの間隔を2メートル開けて撮影に臨んだ(c)Flora
新曲「シャーベットピンク」のミュージックビデオは「新潟西海岸突堤」で撮影された。メンバーの間隔を2メートル開けて撮影に臨んだ(c)Flora

―― 新型コロナウイルスの問題が発生してから初めてのMV撮影でした。フォーメーション(人の配置や動き)にも、相当変化があったのではないですか。

本間: そうですね。私も結構MVの撮影を経験してきましたが、360度使ってフォーメーションを組むのは初めてだったので、すごく新鮮でした。

―― 人と人との間をかなり空けて、さらに人が動いて入れ替わるという...。

藤崎: そうですね。すべての立ち位置に2メートル間隔を測って、「バミリ」をとってやりました。ドローンで上から撮影した映像を見ると、2メートル間隔がきれいに見えて、逆に今だからこそ撮れるMVになったんじゃないかなと思います。
本間: 確かに、この状況じゃなかったらあのフォーメーションじゃなかったかもしれないしね。

―― 距離がある分、メンバーが動くのが大変だったとも聞きました。藤崎さんは足が速いそうですね。

藤崎: いやー、私は速いっていう自覚はないんですけど。
本間: いや、速いです。

―― 衣装は曲名に合わせてシャーベットピンクですが、1期生と研究生でデザインが違いますね。

本間: 1期生は首元が開いているデザインで、研究生は肩が開いています。

―― 日焼けをするところが違うんですね。MVを見ると晴れた日でしたからね。

藤崎: (肩の部分を見せながら)こうやって見るとわかるかな。結構色が...。この辺とか...。
本間: そうなんです。日焼けしました。

―― 振り付けも特徴的ですね。

本間: (手で文字を作りながら)「N」「G」「T」とやったりとか、スカートを歌詞に合わせて一緒に揺らしたりする振り付けがあって、すごくかわいいです。

模試欠席してAKBコンサートに駆け付けたファンの少女が、今...

―― 藤崎さんは研究生から「初選抜」で、さらにセンターに大抜擢されました。この機会に、藤崎さんの人となりについてうかがえればと思います。元々、AKB48やNGT48のファンだったと聞いています。

藤崎: そうですね、AKB48さんにハマったきっかけが板野友美さん(29=13年卒業)で、そこから小嶋真子さん(23=19年卒業)が推しメンでした。

―― 15年にNGT48が発足しましたが、藤崎さんは1期生オーディションで不合格に。ファンとしてNGT48を応援することになりました。16年に新潟市内で行われたAKB48グループコンサートと選抜総選挙の開票イベントを見るために模擬試験を欠席すると高校に伝えたところ、高校から家に電話がかかってきた、というエピソードはファンの間でも語り草になっています。結局はコンサートには行けたのですか?

藤崎: そうですね。父が学校の先生を説得してくれて、なんとか総選挙のコンサートの方には行けました。
本間: お父さんはすごい理解があってやさしいね。
藤崎: そうなんです。本当に。

―― NGT48の地元での開催で、NGT48のメジャーデビューも発表されました。そう考えると、あのときは意志を貫いて、ちゃんと行っておいてよかったですね。模試は他にも受ける機会はありますからね。(笑)

藤崎: やっぱりNGT48のいろんな発表や歴史的な瞬間といえる部分をファンとしては目の当たりにしたいと思うので、模試を休んででも行ってよかったです。そこでメジャーデビューの発表を聞いて、ファンとしては応援したいという気持ちが強くなりましたし、NGT48を目指す部分でも、もっとこのグループに入りたいという気持ちが大きくなった瞬間でもありました。模試も将来に向けての自分の実力を試す大事なものではありますが、総選挙も私にとってはNGT48を目指す上で、すごく行ってよかったと思いますね。

―― NGT48の1期生オーディションでは不合格で、第3回ドラフト会議では第5巡目での指名で、ほとんどギリギリの合格でした。それが今ではセンターです。センターは曲ごとに変わることが多いですが、現時点ではグループ内で「上り詰めた」感もあります。ご自分で「上り調子」「推されている」と感じたことはありますか。

藤崎: 自分では、そういう実感はありません。ドラフト会議では自分を含めて5人がNGT48に加入しましたが、自分は指名されたのが最も遅く、握手会でも自分はファンが少なくて5人の中で最初に握手会が終わってしまったりとか...。5人で何かしても一番下だったり、すごくそこで悔しい思いをしていましたが、その悔しい気持ちが、同期や先輩方も追い越してやるという気持ちで物事を頑張ってみようかな、という気持ちにつながりました。そして、その気持ちに対してファンの方がすごく背中を押してくださっていています。自分の実力で上に上がったというよりも、背中を押してくださるファンの方がだんだん増えてきた、というのが実感です。

コンサート「16人選抜」で「今までとは全然違う風に見えた」

―― 20年1月のコンサートでは、一部の楽曲でフロントメンバーに選ばれたり、終演後の「影アナ」を任されたりしました。このコンサートには、厳しい合宿で選抜された16人しか出演できませんでした。そこでの経験は、どう影響したと考えますか。

藤崎: コンサートで自分がフロントに立つことが多かったり、センターに立たせていただくことがあるというのは、ファンの皆さんは当日のコンサートを見るまで分かりません。レッスン期間は自分の役割をファンの皆さんにお伝えできないので、すごく孤独や不安が大きかったです。本番になったときに自分がその立ち位置にいるのをファンの皆さんが見てどういう風に思うんだろう、というのがすごく不安でした。コンサートを終えたときにファンの皆さんから「未夢ちゃんのダンスがすごい堂々としててよかった」「ソロでやってるところ、すごくかっこよくって今までの未夢ちゃんとは全然違う風に見えた」と言っていただくことが多く、頑張ってよかったと思いました。

―― ベテランの本間さんにとっても、合宿はやっぱり大変でしたか。

本間: 大変でしたね。合宿はNGT48加入当初や、「ネ申(ネもうす)テレビ」(ファミリー劇場)の企画で経験したことはありますが、久しぶりに合宿というものを体験して、やっぱり加入したての頃と感じるものは全く違うものでした。

―― 厳しいレッスンだと「心機一転」というところもありますか。

本間: そうですね。

―― 藤崎さんは研究生からの初選抜、初センターです。抜擢を知らされたときは、どんな思いでしたか。初のMV撮影で、自分の前に人がいない光景はいかがでしたか。スムーズに撮影できましたか。

藤崎: まず、全員選抜だということを聞いたので、そこで自分が初めて選抜入りすることができたことがまず嬉しかったです。自分がセンターになるのは全く予想してなかったので、発表されたときはものすごく驚きました。その後は、センターに立たせていただけるという嬉しさと、1年9か月ぶりに出させていただくシングルということでNGT48にとってすごく大事なシングルになると思うので、そこでセンターだという責任感や不安がすごくありました。でも、全員選抜だからこそ頼れる先輩方だったり、いつも一緒にいて安心できる研究生のみんながいたりして、不安がだんだんなくなってきてMV撮影はすごく楽しかったという印象が一番です。もちろん前に誰もいないというのもありますが、でも後ろに全員いることの方が私はすごく大きく、MV撮影ではあんまり不安はありませんでした。

センターのMV撮影では「楽しめたことは一度もないです!(笑)」

―― 本間さんはシングル表題曲「春はどこから来るのか?」をはじめ、センターの経験が豊富でいらっしゃいますが、本間さんから見て藤崎さんのセンターぶりはいかがですか。何か藤崎さんにアドバイスなどはされましたか?

本間: 振り入れの時はすごく不安そうでしたが、撮影当日はすごく堂々とやっていて、みゆみゆ(藤崎さん)もさっき言っていたように、すごく楽しんでやっていました。初めてのセンターでMV撮影を楽しんでやれるというのは、本当になかなか誰でもできることではないと思います。私はありがたいことに何度かセンター曲をいただいてMV撮影をやらせていただいていますが、楽しめたことは一度もないです!(笑)
藤崎:ええー!
本間:(笑) MV撮影でセンターを楽しめたことは本当に一度もなくて、センターで「楽しい」「自分のものにできた」というのは、ファンの方の前でパフォーマンスを披露して反応をもらえた時です。パフォーマンスをして、どんどんファンの方と自分たちとで、その曲を作り上げていけたときに初めて楽しいと思うので、本当にすごいなって思います。

―― 過去にないタイプのセンターですね。

本間:はい、やっぱり初めてのセンターで楽しんでる人はあんまり見たことがないですね...。
藤崎:(笑)

―― では、相当強いタイプというか...

本間: はい、そうですね。相当強いと思います。だって高倉萌香ちゃん(19=20年卒業)も、最初のセンターの時は泣いて撮影をストップさせたりしていましたし、りかちゃん(中井りかさん)も「青春時計」(デビューシングル、17年発売)の時は、本当に切羽詰まってたし、最近だとAKB48の方で矢作萌夏ちゃん(19=19年卒業)が初めてセンターをした「サステナブル」(19年発売)のときも萌ちゃん本当に緊張してずっと練習してたりとか不安そうだったので、本当にすごいと思います。

インタビュー後半に続く。7月19日掲載予定です)


藤崎未夢さん プロフィール
ふじさき・みゆ 2000年生まれ、新潟県新潟市出身。18年に行われた第3回ドラフト会議でNGT48に加入。18年の選抜総選挙では圏外だった。今作品「シャーベットピンク」で初選抜、初センター。趣味はキャンプで、20年6月にキャンプ・アウトドア情報メディア「hinata」で連載を始めた。


本間日陽さん プロフィール
ほんま・ひなた 1999年生まれ、新潟県村上市出身。2015年にNGT48に1期生として加入。18年7月から19年4月まで「チームG」キャプテン。今作品「シャーベットピンク」を含め、NGT48のシングル表題曲全5曲で選抜メンバーに選ばれ、3枚目シングル「春はどこから来るのか?」(18年発売)でセンター。「#好きなんだ」(17年発売)をはじめ、AKB48のシングル表題曲は計4作品に参加。17年、18年の選抜総選挙ではそれぞれ13位、16位にランクインし、いずれも上位16人の「選抜」入りした。