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飲み終わると「青春」が浮かび上がる... カルピスウォーター「夏限定ボトル」誕生秘話

   カルピスウォーターのボトルパッケージに凄い仕掛けが施されていると、ツイッターで写真が投稿され、大反響となっている。

   浮かび上がるイラストが、まるで青春そのものとの感想も漏れて...。このアイデアを考えたアサヒ飲料の担当者に話を聞いた。

  • ボトルを買ったときはこうで…(写真は、インプミサイル!@Tomoya2000STIさん提供)
    ボトルを買ったときはこうで…(写真は、インプミサイル!@Tomoya2000STIさん提供)
  • ボトルを買ったときはこうで…(写真は、インプミサイル!@Tomoya2000STIさん提供)
  • ボトルを使い終わると、こんな風景が(写真は、インプミサイル!@Tomoya2000STIさん提供)

裏面からは、楽器を抱えたもう1人の女子高生が

   サックスのような楽器を片手にした制服姿の女子高生が、手を挙げて、向こう側の誰かに呼びかけている。

   アサヒ飲料は2020年7月14日、そんなイラストなどを描いた夏限定カルピスウォーターのボトルを発売した。

   このボトルには、ある仕掛けが施されている。それは、ボトルを使い終わると、別のイラストが重なり合うように浮かび上がってくるというものだ。その脇には、「きみの放課後が動き出す。」とのメッセージが添えられている。

   別のイラストの方は、ユーフォニアムのような楽器を抱えたもう1人の女子高生が、入道雲も見える海をバックに、先の女子高生の呼びかけに応えているような風景だ。パッケージの裏面に描かれており、飲み終えると、そのイラストがうっすらと浮かび上がる。遠近法の効果が出ており、物語のような青春の一コマになっている。

   この仕掛けについて、ツイッターユーザーの「インプミサイル!」さん(@Tomoya2000STI)が18日、「これ考えた人すごい!」と写真2枚を着けて紹介すると、大きな反響を呼んだ。「いいね」が30万件以上も寄せられており、「これはステキですね、夏の匂いがする!」「考えた人のセンスが光ります」「やべえこれ めっちゃ萌える」といった声が寄せられている。

   似たようなアイデアを見たことがある、京都アニメーションの作品「響け! ユーフォニアム」を思い出させる、といった声もあったが、このアイデアを採用したことに好意的な反応の方が多くなっている。

「透明なラベルの提案を採用し、レンズのように写るボトルを生かした」

   イラストは、3種類あり、女子高生2人が波打ち際で波を蹴るなどして楽しんだり、男女の高校生が手をつないで海辺の踏切を渡ろうとしたりするものもある。ともに、ボトルを使い終わると、もう1人が浮かび上がるという仕掛けだ。

   夏限定ボトルは、「高校生の放課後をもっと面白くする」をテーマにしたアサヒ飲料のプロジェクトの一環だ。パッケージのイラストは、イラストレーターのかとうれいさんが描いた。

   アイデアを考えたきっかけについて、アサヒ飲料のマーケティング2部の前田遼さん(29)は7月21日、J-CASTニュースの取材にこう答えた。

「ラベル会社から、ボトルの表面に巻き付ける透明なラベルがあると提案を受け、何かに使えないかと開発チームで検討しました。カルピスの色を美しく見せるために2017年に開発したホワイトボトルは、四角い形状でかつ下部に溝がなく凹凸が少ないため、裏側がレンズのように写ります。ほかのボトルではできない見え方ができるため、巻き付けたラベルの反対側の裏にあるイラストが飲み終えると見えるような仕掛けを考えました」

   遠近感が出るように、裏側のイラストは、色も淡くしたという。通常のカルピスウォーターは、ボトルの上部にだけラベルを巻き付けてあるが、夏限定のは、下部にも巻き付け、1枚の絵ができるようにした。

「すごく好意的な意見が多く、うれしく思っています。楽しんでいただけて、とてもありがたいですね。これから暑くなると思いますので、売れるようにと願っています」

   夏限定ボトルは、8月中旬までの1か月分を想定しているというが、ツイッター上などでは、なかなか手に入らないとの嘆きも聞こえる。この点については、「順次出荷していますので、もう少しお待ち下さい」と話している。

(J-CASTニュース編集部 野口博之)