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戸郷か?森下か?セ・リーグ新人王レース、巨人元コーチが占う 本人の成績以外でポイントになるのは...

   プロ野球のレギュラーシーズンが中盤戦に突入した。セ・リーグの新人王レースは、巨人・戸郷翔征投手(20)と広島・森下暢仁投手(23)の両投手が先頭を走っている。

   ハイレベルな争いを展開する戸郷と森下。J-CASTニュース編集部は、巨人で戦略コーチを務めた野球解説者の橋上秀樹氏(54)に新人王レースの今後の展開を占ってもらった。

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「戸郷投手は荒削りなところがある」

   開幕から先発ローテーションの一角を担う戸郷は2020年8月27日のヤクルト戦に先発し、5回4安打無失点の好投を見せ7勝目を挙げた。この日は打線の援護にも恵まれ8月5日の阪神戦から4連勝、防御率1.90をマークしている。

「森下投手は制球を含めてかなり完成している。それに比べて戸郷投手は荒削りなところがある。球の勢い、荒れ球的なボールが彼の武器になっている。投球フォームからくる威圧や、球がばらけることによって打者に与える恐怖心が今のところプラスに出ていると思います」(橋上氏)

   一方の森下はチームが低迷するなかで奮闘している。開幕から8試合に登板し5勝2敗。8月14日の阪神戦では2安打無四球とほぼ完ぺきな内容で12個の三振を奪っての完封勝利。新人投手で一番乗りの完封勝利だった。

「前半戦は打線とのかみ合わせが悪い試合があり、好投しても援護に恵まれずなかなか勝ちに結びつきませんでした。チーム状態があまりよくないので勝ち星に恵まれない試合がありましたが、投球内容からいえば7勝くらいしていてもおかしくはない。バランスの良い投球をしているので、それが制球力につながっている」(橋上氏)

「優勝に貢献したということが評価」

   2020年8月27日時点で巨人は56試合、広島は57試合を消化。勝ち星でいえば7勝の戸郷が5勝の森下を上回り、防御率でも戸郷が僅差で森下を上回っている。今後も両投手による激しい争いが繰り広げられると予想されるが、橋上氏は新人王レースのポイントとしてペナントレースの行方に注目しているという。

「現状のチーム状態を見ると、巨人が首位を走っており、広島は下位に沈んでいる。新人王の選出にあたってはチームの順位も重要なポイントになると思います。同様の成績ならば優勝したチームの選手が選ばれる可能性が高いと思います。チームが優勝すれば、その優勝に貢献したということが評価されますから」(橋上氏)

   また、今シーズンは中日のキューバ出身のアリエル・マルティネス捕手(24)とヤリエル・ロドリゲス投手(23)が新人王の資格を得て、新人王レースに参戦している。

「中日の2選手は非常に良い選手ですが、新人王争いでいえば戸郷投手と森下投手の2人が抜けているので厳しいかと思います。マルティネス捕手が何らかのタイトルを取れば新人王が見えてくると思いますが、戸郷投手と森下投手が2ケタいきそうですので、現状では戸郷投手と森下投手の争いになると思います」(橋上氏)