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「ポスト安倍」すでに関心は組閣&解散へ? 有力派閥が「菅義偉総裁」次々支持も

   安倍晋三首相の辞任表明を受け、早くも自民党の次期総裁が固まりつつあるとの見方も強まっている。

   それは、出馬しないと明言していた菅義偉官房長官(71)が、一転して出馬の方向だとされたことからだ。今後はどんな展開になるのか、政治評論家の有馬晴海さんに聞いた。

  • 最有力ともされる菅義偉官房長官
    最有力ともされる菅義偉官房長官
  • 最有力ともされる菅義偉官房長官

支持する国会議員の数が、8割に乗っている?

「もう支持する国会議員の数が、8割に乗っているとも言われていますね」

   政治評論家の有馬晴海さんは2020年8月31日、J-CASTニュースの取材にこう明かした。

   安倍首相が28日に辞任表明したときは、次期首相として、岸田文雄政調会長(63)と石破茂元幹事長(63)が有力だとされていた。ところが、菅義偉官房長官が29日夜、関係の近い二階俊博幹事長と会って出馬の意向を伝えたと報じられると、事態は急展開を見せた。

   二階氏は、菅氏を支持したとされ、二階派47人が菅氏に回ることになった。続いて、竹下派54人も支持の方向だと報じられ、注目は、麻生派と細田派に向けられている。

   麻生太郎副総理は、安倍首相とともに岸田文雄政調会長に近いとされていたが、ここに来て、菅氏支持に回る可能性もあるとの報道が出ている。安倍首相が所属する細田派もその可能性があると報じられ、もし麻生派54人、細田派98人が菅氏につけば、菅氏は党内の大勢を制した形だ。

   岸田氏は、麻生氏と30日に、安倍首相と31日に会談して、協力を仰いだといい、31日のテレビ番組では「党員投票が望ましい」とも述べた。石破氏も、党員投票の実施を訴えており、出馬を模索している様子だ。

「河野太郎官房長官といった『オール神奈川』のうわさも」

   こうした情勢について、政治評論家の有馬晴海さんは、次のような見方を示す。

「菅さんは安倍さんにもあいさつに行ったはずで、安倍さんは、8年間お世話になった菅さんを今度は支えようと考えているのだと思います。所属する細田派からは候補は出さず、団結してバックアップするでしょう。麻生派は、まだ分かりませんが、麻生さんは『総理に聞いて考える』と言ったとも聞いていますので、総理が菅さんを支えるのなら、麻生さんも菅さんになるのでは」

   岸田氏については、麻生氏や安倍首相があいさつに対応したものの、形勢不利と見て出馬しないかもしれないという。しかし、そうすれば芽がなくなる可能性があるとして、無理をしても出馬することもありうるとした。

   一方、石破氏も、二階氏や菅氏の支持を期待していたものの、急展開で不利になった形だ。二階氏が党員投票はやらない考えを示していることから、そのことに抗議するとして出馬しない可能性もあるとしている。

「二階さんは、自民党の一枚岩を目指し、無投票を狙っている可能性もあると思います。しかし、実際に無投票では総裁選が盛り上がりませんので、誰かが顔見せで出馬することはあるでしょうね」

   そうなると、今後はむしろ首相指名後の組閣や党人事に政界の関心が移る可能性がありそうだ。

「二階さんは、幹事長を続投するつもりでいると思います。うわさでは、防衛相の河野太郎さんが官房長官で、環境相の小泉進次郎さんも起用して、菅さんと同じ『オール神奈川』といった線が出てくるとも言われています。安倍さんが今後のコロナ対策を打ち出したばかりですので、経済再生相の西村康稔さんら大臣はそんなに変えないと思います」

   もし菅氏が次期首相になったときは、時間を置かずに衆院解散・総選挙に踏み切る公算が高いとみる。

「選挙で勝てば、菅さんのおかげだとみな恩に着るはずですので、仕事のあらが見えず、人気のあるうちに解散するのではないですか。秋に解散すれば、早ければ、10月25日投開票になる可能性があると思います」

(J-CASTニュース編集部 野口博之)