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岸田文雄氏、家で「買い出し」「皿洗い」も 夫婦写真「論争」で、テレビ密着取材の内容に再注目

   自民党の岸田文雄・政調会長(63)がツイッターに夫婦写真を投稿したことをきっかけに、その数日前に報道番組で取り上げられた岸田氏の家庭での1コマが再注目を浴びた。

   2020年9月2日未明に更新したツイッターでは、地元の広島から岸田氏が暮らす東京・赤坂の議員宿舎に駆けつけた妻・裕子さんとの写真を投稿。その構図などをめぐって論争が起きた。さらに3日の岸田氏の会見でも、このツイッターの写真をめぐって質問が出た。

  • 岸田文雄氏(写真は外相時代の2017年8月の外務省フェイスブックより)
    岸田文雄氏(写真は外相時代の2017年8月の外務省フェイスブックより)
  • 岸田文雄氏(写真は外相時代の2017年8月の外務省フェイスブックより)

「素敵な奥様」「何この時代錯誤」

   安倍晋三首相(65)の辞任にともなう自民党総裁選挙に立候補し、メディア出演も増えている岸田氏。ツイッターで2日未明、「夜のテレビ出演の合間に、地元から上京してきてくれた妻が食事を作ってくれました。ありがたいです」「#束の間のひととき」「#妻の手料理」として、夕食時の1枚の写真をアップした。ダイニングテーブルに腰掛ける岸田氏の前には1人分の食事が置かれ、テーブルをはさんで斜め前にエプロン姿の裕子さんが立ち、目を合わせている。

   この写真の構図などをめぐって、ツイッターでは「お幸せそうなご夫婦で素敵」「妻が応援に上京して来てくれて手料理作ってくれたのが嬉しくて写真撮ってアップしちゃうなんてめっちゃ可愛いしほっこりした」といった声から、「え、配偶者なのにこの立ち位置?まるでお手伝いさんかお店の人みたい。何この時代錯誤。内助の功とか昭和か?」「家政婦さんかと思いました。対等な合間柄のパートナーには見えない写真ですね...」といった声まで、賛否さまざまな寄せられた。リプライは1300件以上、引用ツイートは2500件以上を数えた(3日15時現在)。

   そんな中ツイッターで注目されたのが、岸田氏のプライベートに密着した8月24日放送の「news every.」(日本テレビ系)だ。家庭内での岸田氏の様子を取り上げている。放送ではまず、仕事を終えた岸田氏がスーパーで食材を買い込み、議員宿舎へ帰宅。宿舎では2人の息子と3人で暮らしていると紹介した。

   岸田家の食卓の様子も放送。宿舎で料理を担当するのは二男で、この日は鍋物だった。出来上がると3人で乾杯し、食べ終わった後に皿洗いをするのは岸田氏。「ほかにやれることがないです」と言いながら、流し台にたまる食器を淡々と洗っていた。3人暮らしだと「みんなで分担する気持ちになっていい」というが、妻・裕子さんがいると「やっぱり甘えちゃう」とも話していた。

   9月2日放送の「Nスタ」(TBS系)でも、岸田氏の議員宿舎にカメラが入っていた。放送2日前に裕子さんが東京に来たといい、夫婦で出演。2人の服装や夕食の献立は、前出の岸田氏のツイッターの写真と同じであることから、写真は同番組の収録前後で撮られたものとみられる。放送では2人でインタビューに応じるなどした後、岸田氏は別のテレビ出演のため「5分」(番組より)で裕子さんが作った夕食を食べ、外出した。

「あの部分だけ見て、何か『対等ではない』と思われるのは...」

   岸田氏が3日に開いた政策発表会見でも「ツイッターの写真が論争になっているのをご存知でしょうか?」と、ネットメディア「ハフポスト」所属の記者から質問が出た(ハフポストでは2日、この写真についての記事を掲載している)。

   「『妻の手料理』というハッシュタグ。いろいろ背景があるのは分かりますが、1枚の写真だけを見てしまうと、奥様と対等な関係では一見ないように見えるということで批判が集まっていますけども、写真についてどう思いますか」という問いかけに対し、岸田氏は「そういったご指摘があると聞いています。なるほどなと思います」とした上で、こう答えた。

「ただ、あの写真だけ見たらそう思うではないか、それはその通りだと思いますが、あの写真はどういう場面だったか。テレビ出演の合間に帰ってきて、食事を作ってもらったというコメントはついていたと思いますが、外から帰ってきて(妻に食事を)作ってもらいました。ですから、帰ってきてすぐ座った段階ですから、マスクもつけ、背広も着ていたと思います。この後またすぐ出かけるという状況の中で席に着いた時に撮った写真ということです。

あれから食事が始まるわけですから、妻としても(食事を)出した後、写真を撮るのでそこにパッと立ってはおりましたが、その後必ず家族は同じ食卓につくわけですから、あの部分だけ見て、何か『対等ではない』と思われるのは、どうも...うーん、納得が、どうも、うーんと...、おかしな気がするところがあります」

   さらに、家族との関係についてもこう語っている。

「実際のところ、『対等ではない』とおっしゃいましたが、私は妻に対してそんなに強い立場にあると思っておりませんし、家事においても、食事は確かに作ってもらった場面ではありますが、平素から風呂洗いをはじめ、必要であれば皿洗い(をする)。皿洗いをしている映像が出たことがあったかと思いますが、そうしたことも家事は分担しております。

あの写真だけ見たらそうではないか、このことは謙虚にそういう指摘もあるのかと思いますが、実態はさっきの写真はそういう場面の途中の1コマであったことはご理解いただきたいと思いますし、私は平素の生活においても、自分のできる家事は分担していると。これが家庭のありようだということも、ぜひご理解いただきたいと思います」