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大規模クラスター発生の高校、全国からの激励に「どれほど救われ、魂が奮えたことか」 感染者の退院報告、学校も再開

   新型コロナウイルスの約100人規模のクラスター(感染者集団)が発生した立正大淞南高校(島根県松江市)は2020年9月4日、感染者の退院を報告した。

   学校には、地元を含め全国から支援や激励が寄せられたといい、「教職員生徒一同どれほど救われ、魂が奮えたことか筆舌に尽くし難いものがございます」と感謝した。

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本田圭佑選手がエール

   松江市は2020年8月10日、立正大淞南高サッカー部の寮で集団感染が起きたと発表し、生徒など計96人の感染を報告していた。

   同高は翌日に急きょ記者会見を開き、感染拡大について、生徒の落ち度ではなく学校としての感染症対策に不備があったと謝罪した。

   その感染者数の多さから、多数のメディアで報じられた。ネット上では心無い言葉も散見されたが、サッカー元日本代表・本田圭佑選手が

「立正大淞南高校、及びサッカー部の皆さん、コロナ感染に関して謝罪する必要なんてないよ。対策してても感染する確率を0にはできんから」
「それより熱とか体は大丈夫?今はしっかり食べて休んでな。また治ったら夢に向かって頑張れ。非難してる人だけでなく、心配してる人も沢山いることを忘れんといて」

   とツイートするなど、気遣う言葉も数多く寄せられた。

   立正大淞南高は9月4日、「お礼を申し上げることも叶いませんので、ホームページ上にて感謝の意を表させていただきます」として、公式サイト上に理事長と校長名義の「お礼状」を掲載した。

ご支援への感謝を忘れることなく...

   冒頭、「この度、本校にて発生いたしました新型コロナウイルスの大規模な集団感染について、多くの皆様に多大なるご心配をお掛けいたしました」と伝え、「これまで経験したことのない状況は、生徒への対応、関係機関とのやり取り、鳴りやまない電話対応と、災害級の非常事態であるとの指摘を受けるほどでございました」と一連の出来事を振り返った。

   対応に追われる現場の支えとなったのが、全国各地からのエールだったという。 「地元や全国各地から寄せられた激励やお見舞い、あるいは支援物資などたくさんの心温まるお気持ちに、教職員生徒一同どれほど救われ、魂が奮えたことか筆舌に尽くし難いものがございます」

   感染していた生徒は無事退院することができ、陰性だった生徒・教職員も2週間の健康観察を終え、9月1日から学校を再開した。

   「これから教職員生徒一同、感染防止対策や衛生管理を徹底すると共に、いただきました ご支援への感謝を忘れることなく、弱い立場の人に寄り添う心を持った、世のため人のために役立つ人材育成に一層の精進を積んでまいりたいと存じます」と誓い、「今後とも、温かく 見守っていただければ幸いでございます。この度はまことにありがとうございました」と結んだ。

「お礼状」全文

   各位 お礼

   この度、本校にて発生いたしました新型コロナウイルスの大規模な集団感染について、多くの皆様に多大なるご心配をお掛けいたしました。

   高校の部活の寮で起きた衝撃と数字が与えるインパクトから連日全国的に報道され、その反響の大きさに戸惑うばかりでございました。これまで経験したことのない状況は、生徒への対応、関係機関とのやり取り、鳴りやまない電話対応と、災害級の非常事態であるとの指摘を受けるほどでございました。

   そのような中、地元や全国各地から寄せられた激励やお見舞い、あるいは支援物資などたくさんの心温まるお気持ちに、教職員生徒一同どれほど救われ、魂が奮えたことか筆舌に尽くし難いものがございます。

   お陰様で感染した生徒につきましては無事全員退院することができました。また「陰性」であった生徒、教職員につきましても、決められた2週間の健康観察を終え日常生活に戻ることができ、9月1日より学校再開の運びとなりました。

   これから教職員生徒一同、感染防止対策や衛生管理を徹底すると共に、いただきましたご支援への感謝を忘れることなく、弱い立場の人に寄り添う心を持った、世のため人のために役立つ人材育成に一層の精進を積んでまいりたいと存じます。

   今後とも、温かく見守っていただければ幸いでございます。この度はまことにありがとうございました。

   令和2年9月4日