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「思ってたのと違う!!!」 極主夫道ドラマ化に「時代錯誤な家庭像」...原作読者は戸惑いの声

   「元・最凶ヤクザ」が専業主夫として生活を営むコメディドラマ「極主夫道(ごくしゅふどう)」(読売テレビ・日本テレビ系)の第1回が、2020年10月11日に放送された。原作は、新潮社のウェブコミックサイト「くらげバンチ」で2018年から連載されている人気漫画で、「全国書店員が選んだおすすめコミック2019」では第2位に入選するなど高い人気を誇る。

   原作ファンの間ではかねてから、公表されたドラマオリジナルキャラクターの存在に懸念の声が上がっていたが、第1話のなかで主人公たちの「住まい」までも違うことが明らかになり、ファンの戸惑いは一層広がった。

  • 極主夫道ドラマ公式サイトより
    極主夫道ドラマ公式サイトより
  • 極主夫道ドラマ公式サイトより

「ボロアパートで美久とふたりで暮らしてる龍が良いのに...」

   原作においては、元・裏社会最凶のヤクザとして恐れられていた「龍(たつ)」とその妻の「美久(みく)」は、古いアパートで2人暮らしをしている。美久はデザイナーとして活躍するキャリアウーマン。龍は、ご近所づきあいや家事などを担う「専業主夫」だ。その「主夫業」の節々に、元ヤクザらしい言動が混ざってくるのが面白いと話題だ。

    20年10月11日からスタートした連続ドラマでは、2人の間に娘「向日葵」がいる。公式サイトでは、「全ての家族に全力でツッコミながら見てもらいたい」と紹介されているが、原作ファンからは放送前からキャラクター設定に対する戸惑いの声が数多くあがっていた。

「時代錯誤な家族像を改変してまでねじ込むなよ」
「『家族の話じゃないと家族で見てもらえない』っていう平成どころか昭和の価値観で制作してる」

   そして放送された第1話では、「住まい」までもが原作と異なる設定となっていた。ボロアパートから、綺麗な一戸建ての家になっていたのである。

「あのボロアパートで美久とふたりで暮らしてる龍が良いのに...なんでこんなきれいな家...」
「クオリティ高いけど、娘と一戸建てには納得できない。アパートでええやんけ」

   極主夫道は、男性が専業主夫という現代的な価値観が反映された漫画でもあるために、このような「一戸建てマイホームに子供と暮らす」という昔ながらの家庭観に戸惑う声が多く寄せられている。

「ポリキュア」らしきものは健在

   さらには原作にはない「抗争」も描写されており、このような多数の改変に、原作ファンからは、

「思ってたのと違う!!!」

という呟きが相次いだ。これは、原作マンガに登場する有名なセリフである。SNS上はもちろん、原作マンガのコメントコーナーにもドラマの酷評が相次いだ。

   一方で、原作通りだと話題となったものもある。「ポリキュア」だ。

「お部屋の棚にポリキュアのフィギュアらしき物が・・・」
「ポリキュア弁当じゃないか!バッチリですねぇ!!!!」

   原作における美久は、「ポリキュア」というプリキュアのような女児向け作品を好む成人女性である。年齢にこだわらず、好きなものを追い続ける美久に、共感し惹かれるファンは少なくない。そのためにドラマ内で「ポリキュア」らしきものが映ると、視聴者からは歓喜の声が寄せられた。

   ただし、ドラマに登場した美久のお弁当箱に描かれているのは「ネオポリスガール」。元ネタとみられる「プリキュア」はテレビ朝日系であるため、多少の改変はせざるを得なかったとみられる。