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DeNA守護神・山崎康晃は輝きを取り戻せるのか 元コーチが懸念する「遅すぎた抹消」、そして「これからは...」

   プロ野球DeNAの山崎康晃投手(28)が不振にあえいでいる。2020年シーズンは開幕からクローザーを任されたものの、低迷が続き7月下旬にセットアッパーに配置転換。10月8日には出場選手登録を抹消され2軍落ちとなった。

   DeNAのかつての守護神は再び輝きを取り戻すことが出来るのか。J-CASTニュース編集部は、横浜ベイスターズで1軍投手コーチを務めた齊藤明雄氏(65)に分析してもらった。

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「今シーズンの山崎投手のフォームをみると...」

   今シーズンの山崎は、出場選手登録を抹消されるまで39試合に登板し、0勝3敗6セーブ8ホールドで防御率は5.84。齊藤氏は今シーズンの山崎の投球について「良い時と比較して真っすぐはそれほど変わらない」と指摘した上で次のように語った。

「今シーズンの山崎投手は、ボールが先行して苦しくなって打者に球を見られて待ち球を打たれるパターンが多かった。球種が少ないので打者に待たれやすく、キレが悪くなると真っすぐとツーシームのどちらか一本に絞られてしまう。今シーズンは体の開きが少し早いように感じ、その分、打者が見やすくなり球が落ちないと打たれてしまう」(齊藤氏)

   また、齊藤氏は今シーズンの山崎の投球フォームの変化を指摘。これがコントロールを乱すひとつの要因であると分析する。

「私も現役時代に経験したが、投手というのは、常に同じフォームで投げているつもりでも腕の角度だったり、足の上げ方だったり毎年フォームが違ってくる。今シーズンの山崎投手のフォームをみると、左足を上げるスピードが昨シーズンと比べて少しゆったりしていて力が入っていないように見える。調子がいい時は、いったん足を上げ膝が一度止まるような感じでスピードがあったが、今年はそれが見られない。投げる時にパワーがうまく伝わらず、上体を振ろうとしても振れずコントロールがばらついてしまう」(齊藤氏)

「緩急をつける意味でもチェンジアップ、カーブを覚えれば」

   今シーズンは開幕から苦しい投球が続き、10月8日に出場選手登録を抹消された。山崎にリフレッシュしてほしいとの指揮官の思いからの抹消と見られるが、齊藤氏はこの時期の抹消を「遅かった」とし、次のように語った。

「山崎投手を来年の戦力として考えるならば抹消したタイミングが悪かった。抹消のタイミングとしては1カ月以上遅いと思う。セットアッパーまでの繋ぎとして5回、6回で投げさせるのならば一度抹消して、下でしっかりやらせてもよかった。来シーズンのためにも残り30試合あたりで1軍に戻して投げさせたほうが本人のためにもなる。このままシーズンが終了してしまえば悪いイメージのまま来シーズンを迎えることになってしまう」(齊藤氏)

   かつてのDeNAの守護神は復活することが出来るのか。齊藤氏は「来シーズンは期待してもいいと思う」と話した上で、今後の課題について言及した。

「これからは真っすぐとツーシームだけに頼るのではなく、緩急をつける意味でもチェンジアップ、カーブを覚えれば投球の幅が広がってくると思う。カーブを覚えれば縦の線が加わるのでツーシームが生きてくる。そうすれば真っすぐも生きてくる。カーブは試合中に1球見せればいい。打者の待ち幅を広くさせて打ち取るのが大事。自分のピッチングを小さくするのではなく、幅を広げていくのが大事になってくる」(齊藤氏)