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「巨人がどのようにして勝つかなかなか見えてこない」 元コーチが語るソフトバンク「優位」の理由

   プロ野球のソフトバンクがロッテとのクライマックスシリーズ(CS)を制して日本シリーズ進出を決めた。2020年度の日本シリーズは昨年同様、巨人-ソフトバンクのカードとなった。昨年はソフトバンクが圧倒的な強さを見せ巨人に4連勝して日本一に輝いた。同じ顔合わせとなった今年の日本シリーズはどのような展開を見せるのか。J-CASTニュース編集部は、巨人の戦略コーチを務めた橋上秀樹氏(55)に占ってもらった。

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「巨人がどのようにして勝つかなかなか見えてこない」

   今年のプロ野球は新型コロナウイルスの影響でセ・リーグはCSが中止となり、パ・リーグはレギュラーシーズン1位のソフトバンクと2位ロッテの間でCSが行われた。ソフトバンクがロッテを下したため、今年の日本シリーズはレギュラーシーズンを制したチーム同士による決戦となる。

「今シーズンのパ・リーグをみると、ソフトバンク、ロッテ、西武、楽天の4チームがし烈な戦いを演じ、今年もレベルの高さを感じました。とくにソフトバンクの終盤での連勝、CSでの勝ち方をみると、ソフトバンクが2020年の完全体になったと感じました。やはりソフトバンクが圧倒的優位にあると思います。死角が全く見当たらない。巨人がどのようにして勝つかなかなか見えてこない」(橋上氏)

   日本シリーズ初戦の巨人の先発は、エース菅野智之投手(31)が想定される。昨年は山口俊投手(33)=現ブルージェイズ=が初戦に先発し、千賀滉大投手(27)と投げ合い2-7で落とした。巨人は結局、2戦以降1勝も出来ぬままシリーズを終えた。

「初戦が全てと言ってもいい」

「初戦の先発はおそらく菅野投手でいくと思います。菅野投手は昨年に比べると状態がいいので期待は出来る。ただ菅野投手で初戦を落としたら、選手たちに昨年の4連敗が脳裏をよぎると思います。ソフトバンクの投手陣は質も量も豊富ですから次から次へといい投手が出てくる。点を取るのは容易なことではない。日本シリーズでは初戦が非常に大事になりますが、今年はより大事になる。初戦が全てと言ってもいいくらいです」(橋上氏)

   また、橋上氏は昨年の日本シリーズを振り返り、第2戦でC.C.メルセデス投手(26)が好投したことを受けて左投手の起用法をひとつのポイントとして挙げた。橋上氏は「ソフトバンク打線がとくに左投手に弱いということはないですが」と前置きした上で次のように言及した。

「菅野投手の次の先発候補は、畠投手、戸郷投手、サンチェス投手らになるでしょうが、タイプ的にあまり変わらない。田口投手、今村投手あたりが先発にまわればアクセントがつく。どのような順番で誰が先発するかは分かりませんが昨年、唯一6回まで抑えたのがメルセデス投手。左投手ならば試合を作れる可能性があるということ。左投手がひとつのポイントになると思います」(橋上氏)

「ラッキーボーイ的な存在も許さない...」

   今年は新型コロナウイルスの影響でレギュラーシーズンをはじめ日程の変更を余儀なくされた。スケジュールの関係で巨人はホームの東京ドーム開催を断念せざるを得ず、京セラドームで初戦を迎えることになる。

「巨人は昨年の日本シリーズを経験している選手がほとんどですので、それはプラスアルファになる。日本シリーズなどの短期決戦ではラッキーボーイ的な存在が出現することもありますが、今のソフトバンクはそのラッキーボーイ的な存在も許さないような強さがある。打線のチームが不調になってまったく打てないということはよくあるが、投手陣が安定しているソフトバンクは崩れにくい。投手の次元が違う」(橋上氏)