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「#GoTo中止に反対します」「#GoToキャンペーンを中止してください」 対照的な2つのハッシュタグ、比較すると

   新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからない中、菅義偉首相は2020年11月21日、「GoToキャンペーン」を見直す姿勢を示した。賛否の声が各方面から上がるが、それを象徴するともいえるのが、ツイッターの「ハッシュタグ」だ。

   見直しを求める側のハッシュタグとして拡散しているものの一つは、「#GoToキャンペーンを中止してください」。逆に政策の続行を訴えるのが「#GoTo中止に反対します」だ。特に後者は、21日未明などに一時トレンドの上位入りし、一部の注目を集めた。

  • 「ハッシュタグ世論」を読み取ってみると(イメージ)
    「ハッシュタグ世論」を読み取ってみると(イメージ)
  • 「ハッシュタグ世論」を読み取ってみると(イメージ)

東京などの感染拡大と軌を一に「見直し」主張

   J-CASTニュース編集部では、SNS分析サービス「ソーシャルインサイト」を利用し、これらのハッシュタグを調査した。

   比較対象は、11月9日~22日にかけ投稿された、「#GoToキャンペーンを中止してください」を含むツイートおよびそのリツイートから1万1800件、「#GoTo中止に反対します」同2万660件をサンプリングしたものだ。

   サンプリングした投稿のうち、「#GoToキャンペーンを中止してください」は9日から1日500件程度の投稿数で推移、東京都の新規感染者発表数が2日連続で300人台後半をマークした13日に一時投稿数が900件に急増するが、その後は発表数の減少と連動するようにいったん低調になる。しかし、都の発表数が500人に迫るとともに急増し、19日に2190件とピークを迎えた。東京をはじめとする大都市圏での感染拡大による不安が、中止を求める声と連動していることが読み取れる。

ソーシャルインサイトより。感染拡大が不安の声を醸成
ソーシャルインサイトより。感染拡大が不安の声を醸成

   対して「#GoTo中止に反対します」は、見直しの声が高まる20日に登場し、菅首相が方針転換を打ち出した21日に1万3590件と急増しており、文字通り見直し論へのカウンターとして浮上したことがわかる。

「自民党」「感染拡大」「人災」VS「観光業」「経済」「補償」

   地域差はどうか。見直し派の「中止してください」は、感染拡大が急な北海道を含む「北海道/東北」エリアの割合が8.2%(中止に反対します:5%)、また「信越/北陸」6.9%(中止に反対します:2.8%)とやや高い傾向にあるのが目を引く。一方、「中止に反対します」は「東海」エリアが9.9%(中止してください:4.1%)とやや優勢な傾向だが、いずれも過半数が「関東」エリアからの投稿で、あくまで議論は東京を中心とした首都圏を舞台に繰り広げられている。

頻出語にも傾向の違いが(ソーシャルインサイトより)
頻出語にも傾向の違いが(ソーシャルインサイトより)

   また、これらのハッシュタグと同時に投稿されている頻出語(リツイートを除く「中止してください」2160件、「中止に反対します」5920件から抽出)をみると、「中止してください」は「自民党」「感染拡大」「人災」など、広がる感染に懸念を示したり、政府与党の責任を問うたりするものが目立つ。対する「中止に反対します」は「観光業」「経済」「補償」など、中止による経済的な打撃を憂う声が主にスコア上位に入った。