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「4週間後に感染者600人」都医師会が予測的中 では「さらに4週間後」は...?

   東京都医師会が定例会見で示した「4週間後には600人」という、都内の新型コロナウイルス感染者数の見通しがほぼ「的中」し、波紋を広げている。

   この見通しは、会見時点での増加のペースが根拠になっていたが、「これからの4週間」はどう変化するのか。

  • 新型コロナウイルスの感染増加のペースはどう変化するのか(写真は国立感染症研究所提供)
    新型コロナウイルスの感染増加のペースはどう変化するのか(写真は国立感染症研究所提供)
  • 新型コロナウイルスの感染増加のペースはどう変化するのか(写真は国立感染症研究所提供)

「今、この293人という数字がそのまま続くと...」

   東京都が2020年12月10日に発表した新型コロナウイルスの感染者数は602人で、12月5日の584人を上回り、過去最多を記録した。翌12月11日は595人の感染が発表され、過去2番目の水準だ。

   にわかに注目されているのが、東京都医師会が11月10日に開いた記者会見の内容だ。この日に都内で確認された感染者は293人で、火曜日としては8月4日の309人に次いで2番目に多い水準だった。猪口正孝副会長は、293人という感染者数について、

「これは1週間の増加比でいうと、だいたい1.29ぐらい」

だとして、今後の見通しについて

「1.2倍という数字は、2週間このまま続くと、2週間後には1.4倍になる。1.4倍がさらに2週間続くと2倍になる。...ということで、今、この293人という数字がそのまま続くと、4週間後には600人、1日あたり600人になる数字だということは、ご理解いただきたい」

と述べた。

   ちょうど1か月後に「600超え」になった形で、発言に注目が集まったわけだ。「1.4倍がさらに2週間続くと2倍」を単純に当てはめると、12月10日の2週間後の12月24日には感染者は843人にまで増えることになる。

「実効再生産数」は11月よりも下がっている

   ただ、感染者1人が何人に感染させるかを表す「実効再生産数」(1より大きいと感染が拡大し、小さいと縮小していることを示す)をみると、会見が行われた11月上旬は1.2~1.4を推移していたのに対して、12月に入ってからは1.1を上回った日はない。11月の会見の時より感染拡大は緩やかになったともいえるが、それでも警戒が必要なことには変わりない。尾崎治夫会長は12月4日に東京・丸ノ内の日本外国特派員協会で開いた記者会見で、

「当初の予測は、12月中旬には、1000人を超える感染者が東京で出るのではないかと言われていたが、皆さんの努力もあって、最近、カーブが少しゆるんできている。それでもやはり、700人~800人を超える数が、このままいくと、12月の中旬以降に増えていくということも、予測としては十分考えられると思っている」

と話した。

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)