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「シティーハンター」宝塚上演に期待も... 「お約束の描写」に心配の声

   ついに「シティーハンター」がタカラヅカの舞台にやってくる。

   2021年8月からの宝塚歌劇団・雪組公演で「ミュージカル『CITY HUNTER』 ―盗まれたXYZ―」とショー「Fire Fever!」が上演されることが決まった。宝塚大劇場公演は8月6日~9月13日、東京宝塚劇場公演は10月1日~11月14日の上演予定で、雪組次期トップコンビの彩風咲奈さんと朝月希和さんの大劇場お披露目公演である。

  • 宝塚大劇場で「Get Wild」が流れる?
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「もっこり」宝塚の舞台で大丈夫?

   20年12月22日に、北条司さん作のマンガ「シティーハンター」の上演が発表されるとネットは沸いた。「Get Wild観劇」といったワードまでSNSを飛び交い、早くも公演への期待が高まっている。主人公の冴羽リョウは当然、次期トップスターの彩風さんが演じると予想されるが、他の配役の予想でも盛り上がっている。

   凄腕のスナイパーで美男の冴羽リョウは、宝塚のトップスターが演じるには最適の役柄だが、「清く正しく美しく」の宝塚には品格を保つための不文律「スミレコード」がある。濃厚なラブシーンや政治思想にかかわる内容、性的な描写は宝塚にそぐわないもので遠ざける、というものだ。キスシーンも実際に唇を交わすのではなく、巧みにそのように見せているのが通例で、下ネタなどはもってのほか。

   シティーハンターといえばお約束の「もっこり」があるが、スミレコードに抵触しそうなギリギリのネタだ。リョウの女好きを宝塚らしさを損なわないままどう表現するか、脚本・演出の齋藤吉正さんのセンスが試される。

   マンガの舞台化では、原作のキャラクターイメージをいかにリアルで表現するか、も課題になる。シティーハンターで気になるのはメインキャラクターの1人、海坊主がどうなるか。スキンヘッドにサングラスという海坊主の風貌は、美しさが必須の宝塚が目指すところとは正反対。リアルさより美しさ重視の宝塚での海坊主のビジュアルもファンは興味津々だ。

   とはいえ、「るろうに剣心」(2016年雪組)でも原作では人間離れした風貌の御庭番衆をメイクと音楽、役者の息の合った演技で大好評を得た実績があるだけに、宝塚らしく美麗な海坊主が観客を驚かせるかもしれない。

   ちなみに「ミュージカル『CITY HUNTER』 ―盗まれたXYZ―」は、ショー「Fire Fever!」との2本立てになるので、前半が「シティーハンター」のミュージカル、後半がショーという構成になる。ショーではミュージカルから一転、歌とダンスを主体にスピーディーで華やいだステージが繰り広げられるので、「シティーハンター」に興味を持って初めて劇場を訪れる観客にはこちらも斬新に映るかもしれない。「Get Wild観劇」にとどまらない、タカラヅカへの入り口になるだろうか。

(J-CASTニュース編集部 大宮高史)