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一見かわいい?若者言葉風の「雪ぴ」 死亡事故にもつながる危険な存在だった

   秋田県などで発生した記録的な大雪による除雪作業が進められている中、ネット上でとある注意喚起ツイートが注目を集めている。

  • これが「雪ぴ(雪庇)」。雪下ろし時の事故や、落雪につながりやすく危険だ(あおもりくまさん撮影、Wikipedia日本語版より)
    これが「雪ぴ(雪庇)」。雪下ろし時の事故や、落雪につながりやすく危険だ(あおもりくまさん撮影、Wikipedia日本語版より)
  • これが「雪ぴ(雪庇)」。雪下ろし時の事故や、落雪につながりやすく危険だ(あおもりくまさん撮影、Wikipedia日本語版より)

漢字では「雪庇」、読みは「せっぴ」

   話題の発端となったのは、NHK秋田放送局の公式アカウント「NHK秋田・きんちゃん(@nhk_akita)」が2020年1月5日ツイートした【雪ぴに気をつけて!】との注意喚起だ。大雪に見舞われた秋田県内で除雪作業をする住民に向けたアナウンスとして、「屋根からせり出した『雪ぴ』に十分注意して下さい」の一文がある。

   ネット上では、「ゆ......ゆきぴ?」「せつぴ?ゆきぴ?」「雪ぴ??? 好きぴとか彼ぴとかとは違うん??」など読み方がわからないと混乱する人が続出している。

   この見慣れない『雪ぴ』とは、本来は「雪庇(せっぴ)」と表記するもの。山の稜線にできる雪だまりのほか、屋根から雪がせり出し、ちょうど「ひさし(庇)」のようになった状態のことを指す。NHK秋田の投稿が指すのは後者だ。

   "ひさし"を意味する"庇"の漢字が常用漢字ではないことから、NHKのアカウントではかな表記になったと見られる(なお、共同通信が発行している『記者ハンドブック』ではふりがな付きの「雪庇」とされている)。

   上記のツイートによれば、雪下ろし中に誤って踏んでしまい転落したり、落雪を起こし、下に居合わせた人を襲ったりといった危険性がある。死亡事故にもつながりかねない危険なものだが、雪の降らない地方ではあまり聞く言葉ではないようだ。

   気象学者・雲研究者の荒木健太郎さん(@arakencloud)も自身のツイッターで「『雪ぴ』は正しくは『雪庇』という漢字で,『ゆきぴ』ではなく『せっぴ』と読みます.常用漢字でないためにNHKさんでは漢字表記できないとのこと.可愛い感じに読めてしまいますが,雪下ろし中の事故や落雪による被害をもたらす現象ですので,十分注意が必要です」とツイートしている。