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田中将大、日本復帰ならどれだけやれる? 実力は十分だけど...元楽天ヘッドが指摘する「不安要素」

   メジャーリーグのヤンキースからFAになっている田中将大投手(32)の去就に注目が集まっている。現在メジャーの数球団が移籍先候補に挙がっており、日本では古巣・楽天がラブコールを送っている。田中の日本復帰はあるのか。そして復帰したらどれだけの成績を残せるのだろうか。

   J-CASTニュース編集部は、田中が楽天時代にヘッドコーチを務めていた橋上秀樹氏(55)に分析してもらった。

  • 田中将大(2016年撮影)
    田中将大(2016年撮影)
  • 田中将大(2016年撮影)

「プラス材料として考えられるのがボールです」

「田中投手が日本に復帰した場合、プラス材料として考えられるのがボールです。おそらくメジャーのボールよりも日本のボールのようがしっくりくるでしょうし、戻ってきてもスムーズにいくと思います。ストライクゾーンに関してはそれほどナーバスに考えるほどではないでしょう。ボールが扱いやすいはずなので自分の投げやすいところにいくでしょうし、そこまで日米の違いに戸惑うことはないと思います」(橋上氏)

   楽天時代はエースとしてチームをけん引し、ヤンキース移籍後も輝かしい実績を残している田中。橋上氏は田中が日本に復帰しても2ケタ勝利をマークする力は十分にあると指摘した上で、いくつかの不安要素に言及した。

「メジャーから戻ってきた投手に対して、とくに先発に関しては使う側は慎重になるでしょう。メジャーの先発は100球をメドに代わりますので、そこに関しては神経を使うと思います。それなりの金額で呼ぶのでしょうから故障させてはいけないと考えるでしょうし、色々なことに気を使わなくてはならない。本人はメジャーの調整法に慣れてしまっているでしょうから、そのあたりも気になります」(橋上氏)

「日本の打者はファールで粘る打者が多い」

   また、橋上氏は日米の打者の違いを指摘し、100球にこだわった場合、勝利数に影響を及ぼす可能性に言及した。

「アメリカの打者に比べて日本の打者はファールで粘る打者が多いので、どうしても球数を使ってしまう。田中投手はもともと球数を使う投手なので球数を100球に限定すると6回までいかないケースもあるでしょう。そうなるとなかなか勝ち星がついてこない。クオリティ・スタート(6イニング以上を投げて自責3以内)はクリア出来ると思うが、勝利数でいえば100球を投げた後の勝ちパターンの継投がどれだけ確立出来るかにかかってくるでしょう」(橋上氏)

   田中が日本に復帰した場合、移籍先は古巣・楽天となるのか。橋上氏は田中がプレーする上で環境的に楽天が適しているのではないかと指摘する。

「ヤンキースでも打席に立つことはなかったので、それを考えればパ・リーグの方が合っていると思います。打席に立つことが難しいと言う投手は多いですし、もともといたのはパ・リーグですから。しかも楽天ならば当時一緒にやっていた選手も残っていますし、仙台は彼の住み慣れたところです。田中投手が楽天にいたころからのトレーナーも残っていますし、そういうところでは安心できると思います。投球術、能力的にちょうど脂がのっている時ですので、ここから数年は良いパフォーマンスが出せると思います」(橋上氏)