J-CAST ニュース ビジネス & メディアウォッチ
閉じる

また休場の白鵬に「袋だたき承知」で苦言 舞の海氏の横綱論に「勇気がいる発言」

   大相撲の解説者で元小結の舞の海秀平氏(53)が、5場所連続で休場した横綱白鵬(36)=宮城野=に対して苦言を呈した。

   舞の海氏は大相撲春場所3日目の2021年3月16日、NHK大相撲中継の解説を務め、白鵬に対する思いをストレートに語った。白鵬は初日、2日目と連勝を飾ったものの、古傷の右膝の状態がおもわしく休場となった。近く右膝の手術を受ける予定で、7月場所での再起を目指している。

  • 画像はイメージ
    画像はイメージ
  • 画像はイメージ

過去の横綱は自身の事情よりも地位、名誉を...

   角界の屋台骨を支えるべき横綱の5場所連続休場。昨年11月には横綱審議委員会が白鵬に対して「引退勧告」の次に重い「注意」の決議をしており、進退がかかっていた場所だっただけに舞の海氏も思うところがあったようだ。

   舞の海氏はこの日のテレビ中継で白鵬の休場の話題になると、「横綱でもない私が袋だたきを承知で言わせてもらうとですね」と前置きしてから持論を展開した。

「過去にはおそらく1年くらい休ませてもらえたら、もうちょっとやれるのになと思いながらも去って行った横綱っていると思うんですよね。でも、なぜやめたかっていうところですよね。それは自分の事情とか感情よりも、横綱の地位とか名誉とかというものを守ってきたからこそ、それを大切に思ったからこそだと思うんですよね」

   さらに舞の海氏はファンの気持ちを代弁するよう言葉を繋いだ。

白鵬のかち上げには「見ていて後味悪いですね」

「そして見ているファンはですね、横綱になってしまったがために辞めざるを得なくなってしまった、そこに無念さとか悲劇をファンは共感すると思うんですよね」

   また、実況アナウンサーの「苦しい状況、心中を察すると白鵬は痛みがあったと思うのですが」とのコメントに対して、「そうは言いましても初日、2日の2番でけがをしたのではないと思うんですよね。場所前に判断すべきだったと思いますね」と厳しい言葉を返した。

   舞の海氏は過去にも白鵬に対して真正面から苦言を呈してきた。

   19年の九州場所12日目では、白鵬が小結遠藤に対して立ち合いに「かち上げ」を放ったことについてNHKの解説を務めた舞の海氏は、「過去の横綱はこういう立ち合いはしなかったですけどね。このかち上げというか、肘打ちは見ていて後味悪いですね」とストレートに感情を露わにしていた。

史上最多V44に「ここまで相撲を引っ張ってきたのも事実」

   角界は番付社会ともいわれ、引退後も現役当時の番付が重んじられる傾向にある。元小結の舞の海氏が現役の横綱に対して「苦言」を呈することに批判的な声もあるなかで、それを理解した上で舞の海氏は「横綱でもない私が袋だたきを承知で」と前置きして発言したとみられる。

   ネット上では舞の海氏のコメントに対して「かなり勇気が要る発言」「正論を言ってると思います」「舞の海の意見に賛成」などと賛同の声が上がる一方で、44回の幕内優勝を誇る白鵬に対して「ここまで相撲を引っ張ってきたのも事実」と、その功績を称える声も。満身創痍の横綱の今後に注目される。