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高額転売、「違反申告してもイタチごっこ(涙)」 山形銘菓「乃し梅」メーカーが着手した独自対策とは

   山形の老舗和菓子店・佐藤屋は2021年3月15日、同社の看板商品「乃し梅」が高額で転売されているとツイッター上で訴えた。

   J-CASTニュースの取材に対して佐藤屋は16日、抑止力のある対策を模索していきたいと話した。

  • 転売された佐藤屋の乃し梅
    転売された佐藤屋の乃し梅
  • 転売された佐藤屋の乃し梅

公式サイトの倍以上の値段のものも

   佐藤屋によると、のし梅は、桃山から江戸期に山形に伝わった梅の気付け薬を元にして作られた山形の伝統銘菓。完熟梅・砂糖・水あめ・寒天を煮詰めたものを、ガラスを張った木枠に薄く流し込み、2日ほど乾燥させて製造する。

   1821年創業の佐藤屋は、のし梅の元祖として昔ながらの製法を受け継ぎながら、新たな楽しみ方も提案しているという。同社の看板商品「乃し梅」は、公式サイトで購入すれば3888円(税・送料込み)。箱入りで、熨斗掛けや包装も無料で行っている。

   しかし現在、Yahoo!ショッピングでは約10社から、佐藤屋の「乃し梅」が高額出品されている。値段は30枚入りで5591円から7800円と、公式サイトの倍以上の値段のものもある。

   この状況を受けて佐藤屋は3月15日、「あまりにも酷いので」とショップサイトのスクリーンショットをツイッター上に投稿し、こう訴える。

「違反申告などしてもイタチごっこ(涙)佐藤屋オンラインSHOPや、百貨店さんなどのECサイトでお求めを」

   また商品画像は「八代目が頑張って撮ってる写真」だとして、無断で商用利用されたことに悔しさをにじませた。

「#転売のし梅レポ」で自ら転売ルートを探る

   J-CASTニュースの取材に対して、佐藤屋の代表・佐藤慎太郎さんは、これまでも転売商品を見かけた際には違反通告を行ってきたが、より抑止力のある対策を模索すると話す。

「お客様やTwitterの反応などから、販売サイトに転売の禁止という条文の明記などの対策が可能と知りましたので、その対応ができたらと思います。ただ、通常業務も忙しくすぐに対応できないかと思いますし、即効性がある対策があるのか不明です。こうして皆様に興味を持っていただきましたし、抑止力のある対策を模索していきたいです」

   佐藤さんは現在、転売屋の販売経路を突き詰めるとして自らECサイト上で高額転売された「乃し梅」を購入し、その様子を「#転売のし梅レポ」と称してツイッター上で実況している。

   また佐藤さんに、転売商品と佐藤屋様が正式に販売している「乃し梅」の見分け方を尋ねた。

「基本的に1枚120円×枚数が価格です(5枚袋600円、10枚箱1200円、20枚箱2400円、30枚箱3600円)。これに常識的な送料であれば正当かと。また、百貨店のECサイトや大手モールへの出品も正当な価格です。決して超高級な菓子ではありませんので怪しいと思う場合は佐藤屋の公式サイトなどで価格を調べられてからのお求めをお勧めいたします」

   そして最後に佐藤さんは、読者に向けてこう述べた。

「こういった形で話題になるのは本意でありませんが、今回のツイートに対して、沢山の御助言や応援をいただきました。そのことに大変に勇気づけられました。この場を借りて御礼を申し上げます。
今後とも元祖山形の銘菓として、山形の梅の農家さんと佐藤屋一同で頑張り、良い菓子をお届けしていきたいと思います。引き続きの応援をいただけましたら幸いです」