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海外旅行ができない状況だからこそ... 「地球の歩き方」編集部が、コロナ禍で気づいた使命感

   海外旅行ガイドブックの老舗「地球の歩き方」編集部が手掛けた、「世界の指導者図鑑」「世界の魅力的な奇岩と巨石139選」「世界246の首都と主要都市」の3点が、2021年3月18日に発売された。

   20年7月に誕生した「旅の図鑑シリーズ」の新作だ。未だ海外旅行の見通しが立たない中でも、世界への知見を深めてもらおうとガイド本の刊行を続けている意図を編集部に聞いた。

  • 家にいながらでも世界情勢と絶景を知れる(プレスリリースより)
    家にいながらでも世界情勢と絶景を知れる(プレスリリースより)
  • 家にいながらでも世界情勢と絶景を知れる(プレスリリースより)

パンデミックと戦う指導者、全世界の都市文化や絶景を紹介

   「世界の指導者図鑑」はG7諸国の指導者や国際機関のトップの任務や人柄を記し、バイデン米大統領、ハリス副大統領、グデーレス国連事務総長らが登場する。「世界の魅力的な奇岩と巨石139選」では世界各地の奇岩が織りなす絶景を掲載、「世界246の首都と主要都市」は246都市の歴史・観光情報・都市名の由来を盛り込んだ。

   いずれも海外への興味を引き立ててくれるが、現状は未だ海外渡航自由化の見通しが立たず、各国版「地球の歩き方」の発行も止まっている。3点は「旅の図鑑シリーズ」の一環だが、編集部はどんなメッセージを読者に託したのか。

   J-CASTニュースの取材に「地球の歩き方」編集部は、「世界の指導者図鑑」の刊行意図については、コロナパンデミックの現状を受け、

「各国指導者たちの手腕やリーダーシップが問われるなか、どのような行動や発言で国民を導いているか、どのような経歴を歩んで今のポジションにたどり着いたかを読者が気軽に調べることができるものを作りたいと考えたためです」

   との狙いだとした。「世界246の首都と主要都市」の刊行も同様に

「各国の首都名を耳にすることが多くなり、実は意外と知らない首都や都市の成り立ちや歴史、名の由来まで楽しく学べるものを提供したかったためです」

   とのことである。

   一方、絶景が収録された「世界の魅力的な奇岩と巨石139選」は、

「上記2アイテムとは少し方向性を変えて、旅に行かなくても行った気分を楽しめる書籍として、地球のエネルギーを感じる岩をテーマにした書籍を出すことにしました」

   というコンセプトだった。「ひと口に岩といえども奥深く、その成り立ちやユニークな伝説など、語るべきことがとても多く、読者からも注目度の高い一冊」になったそうだ。

「今そこにある身近な海外を説明したいという使命感」

   「地球の歩き方」編集部も、海外取材が不可能な日々が続く中で、「これまでの取材で蓄積してきた情報を活かして、今そこにある身近な海外を説明したいという使命感から」この「旅の図鑑」シリーズを企画したという。

   「コロナ前までは多くの日本人が自由に海外に行くことができ、海外からもたくさんの外国人が来て日本中を旅しているような世の中でしたが、今はその真逆の状況」と話す編集部だが、そんな中でも海外旅行を人生の糧としてきた読者に向けて、

「旅の図鑑シリーズで世界に対する視野を広げ、さまざまな歴史や文化があることを知ってもらい、いつかまた旅に出られる日まで、海外に行った気分を楽しみながら教養を身につける一冊にしてほしいです」

   と本シリーズの狙いを語った。

   3月下旬にはこれらの刊行に合わせて編集スタッフが出演するオンラインイベントも予定しており、日本にいても世界についての見聞を読者に伝える取り組みが続いている。