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研究生からセンター抜擢、映画主演にプロデュース力... 乃木坂46卒業の堀未央奈、荒波で築き上げた存在感

   乃木坂46・堀未央奈さんは、2021年3月28日でグループを卒業する。2013年に2期生として合格してから8年、加入早々にセンターに抜擢されるなどのハードな経験もしながら、独自のセンスでグループ外でも活躍の場を見つけてきたメンバーであった。グループでの足跡と貢献を駆け足ではあるがまとめたい。

  • 堀未央奈さん(2017年撮影)
    堀未央奈さん(2017年撮影)
  • 堀未央奈さん(2017年撮影)

前代未聞、研究生からセンター抜擢

   2013年3月に2期生オーディションに合格、研究生として活動を始めた堀さんだが、同年11月リリースの7thシングル「バレッタ」で突如センターに抜擢された上、正規メンバーへの昇格が告げられる。発表当時、白石麻衣さん・生田絵梨花さん・生駒里奈さんら「センター候補」が次々名前を呼ばれていく中、最後にセンターとして名前が呼ばれたのが堀さんで、メンバー・ファンは騒然、半ば界隈が荒れた事件でもあった。

   ところが「バレッタ」も含めて以後5作連続でシングル表題曲選抜入りするもポジションは後列が多く、12thシングル「太陽ノック」13thシングル「今、話したい誰かがいる」(共に2015年)と2作連続選抜に選ばれずアンダーにまわるなどポジションは目まぐるしく変わる。

   この荒波は本人にも影響しないはずがなく、「16歳で入って、センターになった時から4、5年間は辞めたいって気持ちが大きかった。でも、やらなきゃいけないこととか、自分がまだ叶えてない目標とか、応援してくれてる人とかがいるから、結果、いやまだ辞めない、頑張るっていう方向になったんだけどね」(2020年発行「のぎたび」収録の北野日奈子さんとの対談より)とも述懐するが、活躍できる場を切り開いていく。

   特に評価されたのが演技面だ。堀さんは映画「ホットギミック ガールミーツボーイ」(2019年/山戸結希監督)では主演を務め、ドラマ「ザンビ」(2019年/日本テレビ系)では主演の齋藤飛鳥さんの親友役で終盤まで存在感を見せた。

「ホットギミック ガールミーツボーイ」の山戸監督とは14thシングル「ハルジオンが咲く頃」のMV制作で初めて対面、この時堀さんの演技と探求心に興味を持った山戸監督が「ホットギミック ガールミーツボーイ」の主演に起用した経緯がある。昨2020年11月27日の突然の卒業発表はこの日公開の堀さんのソロ曲「冷たい水の中」のMV内で本人の口から語られたが、MVの監督も山戸さんであり、共に仕事をしたクリエイターが惹かれる才を発揮してきたようだ。他にもモデル活動等で見せるメイクやファッションのセンスもファンを集めていく。

同期の魅力引き出す「未央奈P」

   もう一つ、堀さんが注力していたことが、同期である2期生をもっとファンに知ってもらうことである。例えば2015年には「乃木坂工事中」(テレビ東京系)で「堀未央奈プレゼン企画 2期生の良いところもっと知って欲しい!」を発案し、山崎怜奈さんは特技の似顔絵を披露、北野日奈子さんと伊藤純奈さんは堀さんらにドッキリを仕掛けられて楽屋裏での素顔が明らかになるなど、2期生の長所を引き出そうとしていた。

   このように「2期生が出しきれてない部分が多くて、やっぱりすごいもどかしい。みんないっぱい頑張ってるから。実力もすごいあるし」(前出「のぎたび」対談より)との思いも実行に移してきた。番組やネット配信で話す言葉の中で、堀さんがグループのメンバーを強く気にかけている様はファンなら知っているだろう。

   卒業直前に制作されたフォトブック「いつのまにか」(4月20日発売)においては、在籍する2期生メンバー1人1人とのフォトセッションのページが設けられている。グラビアでは堀さん自身が同期のメイクや衣装もコーディネイトしてセンスを高め、本書のSNSアカウントでは「未央奈P」のタグも使われている。最後までグループの為にできることをしたいという彼女のプロデュース精神がうかがえる。自ら演技という強みを見出したセルフプロデュース力と、周囲のメンバーの美点を見出す力、多忙な活動の中でも見せてきたこれらの芯の強さが、卒業後も堀さんの強い原動力となるだろう。

(J-CASTニュース編集部 大宮高史)