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違法配信のせいで公式動画が削除された... 人気ラジオ番組で不可解トラブル、文化放送は困惑隠せず

   文化放送のラジオ番組「おはよう寺ちゃん」が、予期せぬトラブルに巻き込まれた。

   番組の違法配信が原因で、公式のユーチューブ動画が著作権侵害で削除された。現在は復旧したが、なぜこんな事態が起きたのか...。

  • 「おはよう寺ちゃん」の公式ツイッターより
    「おはよう寺ちゃん」の公式ツイッターより
  • 「おはよう寺ちゃん」の公式ツイッターより

なぜ公式が訴えられるのでしょうか

   「おはよう寺ちゃん」は、フリーアナウンサーの寺島尚正さんがパーソナリティーを務め、平日午前5~9時に放送している。

   番組改編に合わせ、3月29日からユーチューブで生配信およびアーカイブ配信をしていたが、なぜか29日の一部動画が削除されてしまった。番組の公式ツイッターが30日、「番組を違法でアップロードしているチャンネルからなぜか著作権侵害の警告を受け、動画を削除されてしまいました...なぜ公式が訴えられるのでしょうか...笑」とあきれ気味に伝えた。

   削除された動画の画面には、「動画は再生できません。この動画は、〇〇(伏字は編集部、英語で個人とみられる名前が示されている)から著作権侵害の申し立てがあったため削除されました」と表示され、権利者を騙る第三者から苦情があったことが分かる。

   ユーチューブで「おはよう寺ちゃん」と調べると、番組名を冠した非公式のチャンネルが複数見つかる。

   ユーチューブの公式サイトによれば、著作権侵害の警告は「著作権で保護されたコンテンツの使用について著作権所有者が正式かつ法的な削除依頼を提出したことを意味します。このような正式な通知があった場合、YouTube は著作権法に従ってお客様の動画を削除します」と説明する。

復旧するも対応に苦慮していた

   番組ツイッターは31日、「違法サイトから著作権侵害の申し立てを3回続けてされたため、本日よりYouTubeの方に番組アーカイブのアップロードができなくなりました」と事態が悪化したと報告し、「楽しみにされていた皆様には、多大なご迷惑をおかけしますこと、お詫び申し上げます」と謝罪した。

   文化放送広報部は4月1日、J-CASTニュースの取材に、ユーチューブの管理画面から、第三者による「著作権侵害の申し立て」に異議を申し立てたものの、3回のうち2回しか通らなかったと話す。「AI(人工知能)で審査しているようなので本物と偽物を間違えたのですかね...」と戸惑いを隠さない。※公式ツイッターは同日、動画が復元され、新規投稿もできるようになったと発表した。

   ユーチューブでは、不当な著作権侵害の警告により動画を削除された場合、異議申し立てできる仕組みがある。ユーチューブが改めて審査して可否を判断する。

   ユーチューブを傘下に持つ米グーグル日本法人に2日、今回のトラブルの原因を問うも、「個別のチャンネルや動画についてはお答えできない」(広報部)とした。