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まるで「タイムスクープハンター」? NHK新番組「歴史探偵」の「潜入取材」演出に視聴者反響

   2021年3月31日から、NHKで新しい歴史番組「歴史探偵」がスタートした。「歴史秘話ヒストリア」の枠を引き継いだこの番組は、俳優の佐藤二朗さんを探偵所長として、探偵のように歴史の実相を取材していくというコンセプトだが、歴史番組にありがちなVTRの趣向が凝っている。NHKのアナウンサーが探偵となって過去にさかのぼり、当時の人々の生き様を調査するというものだ。

   この演出で、視聴者が思い出したNHKの歴史番組がある。「タイムスクープハンター」だ。要潤さん扮するリポーターが過去にタイムトラベルする構成で、映像を通じて迫真のリポートを伝えてきた番組だ。

  • 佐藤二朗さんと要潤さん
    佐藤二朗さんと要潤さん
  • 佐藤二朗さんと要潤さん

要潤が過去に潜入取材

   3月31日放送の「歴史探偵」レギュラー放送1回目は「参勤交代」、4月7日放送の2回目は「ダークサイド平安京」をテーマとした。最新の時代考証にもとづくVTRの中ではアナウンサーが歴史探偵として登場、その時代を見てきたかのような映像と専門家の解説で日本史の知られざる一面を伝える。

   江戸時代や平安時代に潜入取材という演出で、多くの視聴者が連想した「タイムスクープハンター」は2009年にスタートした歴史ドキュメンタリー番組。2015年までの合計6シーズンが放送され、2013年には劇場版も制作された。

   シリーズを通じて俳優の要潤さんが「タイムスクープ社の時空ジャーナリスト沢嶋雄一」という役柄で出演し、過去にタイムトラベルしてリポートする形で番組は進んだ。第3シーズンからは同僚の古橋ミナミ役として杏さんも登場する。タイムトラベル先で様々なハプニングが起きる様子を沢嶋が取材しながら、1話に起承転結が盛り込まれて完結する。

   扱う題材が歴史上の有名人ではなく主に無名の民衆が作った文化習俗であること、衣装髪形まで凝った時代考証や要さんの体当たりの演技で、ドキュメンタリーとドラマの要素をちょうどよく詰め込んだ番組に仕上がった。

   考証の徹底ぶりは役者が話すセリフも当時の言葉を再現するほどで、奈良・平安時代ともなると現代日本語から著しく乖離しているために、番組中では要さんと当時の人物が自動翻訳機を使ってコミュニケーションしている設定が採用された。現代日本語の字幕を表示していた放送回もあったほどだ。

コラボを期待する視聴者も

   「タイムスクープハンター」で取り上げた時代は奈良時代から戦前まで幅広かったが、多かったのは江戸時代。「歴史探偵」第1回では、テーマの大名行列の途中で大井川を渡河する場面があるが、大井川を渡る人足は「タイムスクープハンター」でも第6シーズン12話「激流!ふんどし男の渡し」で「取材」したことがある。

    今後も題材が重なる可能性はあり、「タイムスクープハンターを思い出す」「また見たい」といった感想だけでなく、「タイムスクープ社が資料提供してないか」のような、両番組のコラボを期待するものもある。