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劇的サヨナラ勝ちでも喜べない、原巨人「ブルペン崩壊」の深刻度

   プロ野球の巨人は2021年5月9日、東京ドームでヤクルトと対戦し7-5で9回サヨナラ勝利を収めた。

   巨人は2点リードで迎えた7回に2番手・田中豊樹(27)が乱れ、後続投手もピンチをしのぎきれず計4失点。中継ぎ陣の崩壊で試合をひっくり返されたが、8回に1点を追加し1点差に詰め寄ると、9回に主砲・岡本和真(24)がヤクルト守護神・石山泰稚(32)から逆転3ランを放ち試合を決めた。

  • 原辰徳監督(2014年撮影)
    原辰徳監督(2014年撮影)
  • 原辰徳監督(2014年撮影)

田中は回またぎで結果残せず

   試合は中盤まで巨人ペースだった。2回に丸佳浩(32)のソロ本塁打で先制し、3回に同点に追いつかれるものの、4回、5回にそれぞれ1点を追加しヤクルトを突き放しにかかった。先発・今村信貴(27)は3回に四球による押し出しで1点を失ったが、以降は6回2死までヤクルト打線に得点を許さなかった。

   2点リードの7回のマウンドは田中に託された。田中は先発・今村の後を継ぎ6回2死から登場し、回をまたいでのマウンドだった。6回は塩見泰隆(27)をセンターフライに打ち取ったものの、4球目のフォークがワンバンドで暴投となるなど投球に力みがみられた。

   7回、田中は先頭・中村悠平(30)を四球で歩かせ、山田哲人(28)、村上宗隆(21)に連打を浴びて無死満塁のピンチを迎えた。続くオスナ(28)を空振り三振に打ち取ったが、ここでベンチが動いた。田中を諦め3番手・大江竜聖(22)を投入。その大江は青木宣親(39)を1ゴロに打ち取ったものの、1塁手スモーク(34)がホームにワンバウンド送球。これを捕手・大城卓三(28)が捕球できず1点を許した。

7日のヤクルト戦は中川が乱調

   なおも1死満塁と巨人のピンチは続く。大江に代わって4番手として桜井俊貴(27)がマウンドに上がったが、サンタナ(28)にレフト前タイムリーを許し、続く西浦直亨(30)に死球を与えて押し出し。ここで桜井は降板し、5番手・戸根千明(28)がマウンドに。戸根は川端慎吾(33)を1ゴロに打ち取るも、この間に4点目となるランナーがホームに生還した。

   試合は主砲・岡本の劇的な2打席連続アーチでサヨナラ勝利を収めたが、不安視されていた田中、桜井ら中継ぎ陣が結果を残せなかった。

   7日のヤクルト戦では2点リードの8回に4点を失い、9回にも1点を許し逆転負けを喫した。8回のマウンドに上がったセットアッパー中川皓太(27)がヤクルト打線につかまり、後を継いだ桜井、大江も抑えきれなかった。9回には井納翔一(35)がサンタナ(28)に手痛い一発を浴びるなど、中継ぎ陣の立て直しが急務だった。

14日からは首位阪神との直接対決が

   この日は坂本勇人(32)が5回の攻撃場面で右手親指を負傷するアクシデントに見舞われた。1塁走者だった坂本は、けん制球に対してヘッドスライディングで帰塁。その際に右手親指を痛め、スポーツ紙などの報道によると、右手親指の末節骨骨折と診断され、長期離脱の可能性が出てきた。

   エース菅野智之(31)が右肘の違和感で出場選手登録を抹消され、守護神デラロサ(32)が戦線離脱するなかで坂本の負傷は大きな痛手となる。11日からは横浜スタジアムでDeNAとの3連戦、そして14日からは首位阪神との直接対決を控える。投打の主力が欠けるゲームを原辰徳監督(62)はどう乗り切るか。指揮官の采配に注目が集まる。