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「母親なら子ども優先しろ」夫は吐き捨てた ナイト・ドクターが描いた「共働き家庭の現実」

   俳優の波瑠さんが主演を務める新ドラマ「ナイト・ドクター」(フジテレビ系)第2話が2021年6月28日に放送された。子どもの診療をめぐる、共働き家庭ならではの事情を描いたエピソードが反響を呼んでいる。

  • 主演の波瑠さん(2017年撮影)
    主演の波瑠さん(2017年撮影)
  • 主演の波瑠さん(2017年撮影)
  • 波瑠さんと沢村一樹さんのツーショット(ナイト・ドクター公式インスタグラムより)

「コンビニ受診」にひそむ影

   舞台は、365日24時間どんな患者も断らない医療を目指す「あさひ海浜病院」。夜間勤務専門の救命医チーム「ナイト・ドクター」を立ち上げ、医師6年目の主人公・朝倉美月(波瑠さん)は熱い意思を持って働き始める。

   そこで出会った深澤新(「King & Prince」岸優太さん)、成瀬暁人(田中圭さん)、桜庭瞬(北村匠海さん)、高岡幸保(岡崎紗絵さん)という年齢も性格も価値観もバラバラな5人の医師とともに、医療や人生を見つめていくというストーリーだ。

※以下、一部ネタバレを含みます※

   第2話のメインテーマは、「コンビニ受診」。これは、平日の昼間に体の不調を自覚しながらも、自己都合で重症者の受け入れを対象とする休日や夜の緊急外来を受診する行為。夜間診療を受け持つ美月もコンビニ受診に辟易している。

   そんななか、鮎川希実(谷村美月さん)が1歳になる息子・玲生くんの鼻水を心配し、あさひ海浜病院に来院。深澤は風邪と診断するが、後日玲生くんが熱を出したため再び来院。今度は美月から風邪の診断をくだされる。

   実はこのとき、処理した玲生くんのオムツに白い便が出ていたが、なぜか希実は言い出さないのだった。

   深夜、希実が帰宅すると、そこには仕事で疲れ切った夫と、洗い物の山。日中の仕事を休まずに、夜間診療に頼る希実に対し、夫が怪訝そうに憎まれ口を叩くと、希実は

「社内で子育てしておる人はたくさんいる。みんな夫が協力的だったり、実家のサポートがあったりして普通に働いている。私だけ休むわけには...」

と主張。これに夫は「母親なら子ども優先しろ」と反論する。

「面倒くさいって思っちゃったんです」

   その後、玲生くんの容態は急変。緊急手術で「先天性胆道拡張性」だと判明した玲生くんを救うと、以前にただのコンビニ受診だとあしらってしまった美月は、希実に謝罪する。

   すると、希実は「面倒くさいって思っちゃったんです。しょっちゅう保育園から玲生が熱を出したって連絡がきて、その度に(仕事を)早退して...」と共働きかつ家事育児に追われているがゆえの苦しい心情を告白。これに美月は、

「今は、女性が外に出て働くのが普通になった。でも、昼間に病院に連れていくのが普通って言われたら矛盾していますよね」

とし、「いつか昼間に忙しい人たちが、気軽に夜の病院に来られるようになればいい」とナイト・ドクターとして、一人の女性として語るのだった。

   共働きで子育てをしている家庭の事情を描いた今回のエピソードに対し、視聴者からは、子供の異変を黙っていた希実の行動はありえないとしつつも、

「夫婦共働きで小さい子どもいるから、夜間に病院連れてったり、会社に迷惑掛けないようにって、旦那の給料がもっとあれば妻もこんなに負担しなくてもいいって喧嘩になったり、リアルで泣ける」
「共働きママあるあるだよね... こんなんあるあるになってほしく無いけど、日本の制度と常識の実情がそうさせてるのも分かるけど...」
「共働きでのワンオペでそれだけでも大変なのに 仕事終わりに駆け込むように小児科行くのがどれほど大変か フルタイムだと夕方の駆け込みも間に合わないよね」
「コンビニ受診がメインだけど、共働き子育て低賃金とか何だか色々な問題があるよね」「コンビニ受診って軽い呼び方だけど、実際、共働き家庭の子どもだけでなく、働く多くの大人が診療時間内に仕事が終わらず、受けたい治療が受けられていないと思う」

などと反響を呼んでいる。