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「五輪中止・延期」求めた野党、メダルラッシュにどう反応? 立憲福山氏、共産小池氏のコメントは...

   野党が開催の中止や延期を求めてきた東京五輪では、日本人選手によるメダルラッシュが続いている。五輪開催の是非では足並みをそろえた野党だが、選手の活躍に対する反応は分かれている。

   立憲民主党の福山哲郎幹事長は選手の活躍をたたえる一方で、「国民の皆さんの命がどうなるかという状況の中で大会を開くに至ったことの政府の責任とは全く別のもの」と説明。共産党の小池晃書記局長は、五輪中止を求める党の立場を繰り返し、「中身についてコメントすることは控えたい」とした。

  • 記者会見する立憲民主党の福山哲郎幹事長(写真は立憲民主党の配信動画から)
    記者会見する立憲民主党の福山哲郎幹事長(写真は立憲民主党の配信動画から)
  • 記者会見する立憲民主党の福山哲郎幹事長(写真は立憲民主党の配信動画から)
  • 記者会見する共産党の小池晃書記局長(写真は共産党の配信動画から)

蓮舫氏「選手への応援と政府の危機管理体制への姿勢は別です」

   立憲では、選手の活躍をたたえる蓮舫代表代行のツイートに批判が殺到。蓮舫氏は7月25日のツイートで、

「五輪で健闘された選手へのTweetに『反対してたのに』と言う反応がありますが、選手への応援と政府の危機管理体制への姿勢は別です。感染拡大の最中、今でもこの東京五輪強行の政府と東京都、組織委員会、IOCの判断には反対です」

などと反論していた。

   このツイートを受ける形で、7月27日の福山氏の記者会見では、蓮舫氏以外は選手の活躍をたたえることを控えているように見えるとして、その理由を問う質問が出た。福山氏は、

「日本人の選手がそれぞれの場面で活躍されていることは大変喜ばしいし、私はテレビを見ながら応援している。種目によって私の大好きな種目もあるし、スケートボードのように新しい種目で日本の若い選手が金メダルを取られたということは素晴らしいと思う」

と話した。自らが京都府のバスケットボール協会の会長を務めていることにも触れながら、男子バスケットボールで、日本が45年ぶりの五輪舞台で世界ランク2位のスペインを相手に健闘したことについて

「バスケットボールの関係者としては大変嬉しく思っている。当たり前のことだと思う」

とたたえた。その上で、五輪開催と選手の活躍の関係について、次のように説明した。

記者の質問に「2500を超える...?そうですか...」

「五輪開催の是非について我々が問うたのは、感染拡大が広がっているからだ。私は何度も、この場でも、これまで鍛錬をしてきたアスリートの皆様には、存分に力を発揮していただきたいということは、何度も、この会見でも申し上げてきた。その話と、感染が東京でこれだけ広がっている中で、本当に国民の皆さんの命がどうなるかという状況の中で大会を開くに至ったことの政府の責任とは全く別のものだと思っている。日本人の選手のみならず、他国の選手にしても、大健闘された方々に対して賞賛をするのは当然のことだと思うし、日本の選手が活躍することを喜ばないわけがない。僕は人一倍喜んでいると思っている」

   会見の終盤では、東京都内の感染者数が2500を大きく超え、過去最多になる見通しになったことについて質問が出た。福山氏は

「2500を超える...?そうですか...」

と驚いた様子で、五輪との関係については次のように発言。会期中の中止を求めたりはしなかった。

「五輪をやっているから政府は感染対策を何もしないでいいわけではない。五輪と感染対策は別で、そのことについては専門家会議を開くとか、政府としてどう考えていくのか、国民に一定のメッセージや説明が必要だと思う」

「まぁ、あの...。見ましたけど。それはだって、やっぱり見とかないとね」

   対照的だったのが共産・小池氏の反応だ。小池氏は7月26日の記者会見で、開会式が行われた23日に志位和夫委員長名で

「五輪の開会が強行されるもとでも、わが党は、命を守ることを最優先にする立場を揺るがず貫き、開会途中でも中止を決断することを求め続ける」

などとする談話を出したことを紹介し、

「この時点よりも、さらに深刻になっていると思うので、五輪の中止、開催の中止ということを求めていきたい」

と述べた。

   日本人選手の活躍について問われると、

「今言ったように、これだけの感染状況のもとで、『五輪は中止すべき』だと言っているわけだから、五輪の中身についてコメントすることは控えたい」

と突き放した。賛否が分かれた開会式への感想を求められても、

「中止を求めている立場で、中身について、あれこれコメントすることは避けたい」

と繰り返した。ただ、五輪を観戦していることも明かしており、党の立場との整合性を保つのに腐心している様子だった。

「まぁ、あの...。見ましたけど。それはだって、やっぱり見とかないとね。色々と、これからもの言う場合もね...(あるかもしれない)。ただ、中身について、ああだこうだ言うことは、私は避けるべきだと思っています。あくまで、今の感染状況に照らして中止すべきだ、というのが我々の立場」
「テレビつけたら、どこつけてもやってるわけだから、そりゃあのう、見ない方が無理でしょう?」

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)