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韓国MBC「不適切放送」が止まらない 4度目の失態に地元メディア痛烈「本当に公営放送なのか」

   東京五輪中継で「不適切放送」が相次ぐ韓国放送局MBCに対して国内メディア「中央日報」が社説で批判した。

   韓国メディア中央日報(日本語WEB版)は2021年8月2日の社説において「MBCの相次ぐ東京五輪放送事故、本当に公営放送なのか」の見出しで記事を展開。東京五輪における相次ぐ「放送事故」を指摘し、公営放送の義務と責任を本当に全うしているのか疑ってしまうとしている。

  • 韓国代表・金軟景選手(写真:AP/アフロ)
    韓国代表・金軟景選手(写真:AP/アフロ)
  • 韓国代表・金軟景選手(写真:AP/アフロ)

不適切テロップで視聴者から批判

   記事によると、7月31日に行われた女子バレーボール予選リーグに関する報道でも「不適切放送」があったという。

   韓国代表は日本代表と対戦し、フルセットの末3-2で勝利。試合後、MBCユーチューブチャンネル「Mビッグニュース」は、韓国のエース金軟景(キム・ヨンギョン)にインタビューを行った。

   インタビューでは記者が金に「国民に希望を与えたが」と質問し、金が「ありがとうございます。とても満たされた気持ちです」と答えた。しかし、映像では記者の質問のテロップが「サッカー、野球は負けてバレーボールだけ勝ったが」と処理されたという。

   不適切なテロップを入れたことで、金の発言が視聴者の誤解を招くようなものとなり論争が起こった。その後MBCはテロップ部分を非公開処理してアップし直したが、すでに映像は拡散されMBCに批判の矛先が向けられたという。

男子サッカーでも不適切字幕で批判浴びる

   この「不適切放送」は韓国の各メディアで伝えられ、「朝鮮日報」は国民に謝罪までしたMBCがまた字幕議論と報じ、「ハンギョレ」は「MBC、キム・ヨンギョン『悪魔の編集』」との見出しで報じている。

   MBCは7月23日の開会式中継で各国選手団入場の際に不適切な画像を使用して世界中のメディアから批判を浴びた。これに続いて25日に行われた男子サッカー1次リーグB組第2節ルーマニア戦ではオウンゴールしたルーマニア選手を揶揄するような「不適切字幕」で波紋を広げた。

   さらに26日には柔道男子73キロ級で銅メダルを獲得した韓国代表・安昌林に対して実況したMBCキャスターが「私たちが望んでいた色のメダルではありませんが」とコメントし視聴者から反発の声が上がった。

   MBCのパク・ソンジェ社長は26日に謝罪会見を開き、再発防止に努めていくことを明かしたが、またしても東京五輪中継で失態を犯した。

   中央日報の社説では、今回の論争をスポーツ報道、さらには韓国社会がもう一段成熟する転換点とするべきだと指摘し、MBCの各種事故に対しての原因究明、関係者の問責および再発防止策作りは言うまでもないとしている。