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マンガの世界が現実に!? 女子高生が甲子園を目指す「花鈴のマウンド」に迫る

提供:わかさ生活

   「女の子だって甲子園」。女子硬式野球をテーマにしたマンガ「花鈴のマウンド」の合言葉だ。

   作品の主人公・桐谷花鈴は、甲子園大会に憧れる都立星桜高校女子硬式野球部のピッチャー。3年生春の大会では、ライバルである京都雅高校の柊木美玲に完膚なきまでに打ち負かされてしまうが、幼なじみの大門頼による指導のもと、投球フォームや球の握り方など試行錯誤しながら日々奮闘する。

   花鈴の夢を諦めずに努力を続ける姿と、野球の試合シーンで描かれるフォームは迫力満点だ。果たして花鈴は、甲子園出場の夢を叶える事が出来るのか......。

   この作品は2016年からWEB連載を経て、現在は大垣書店からコミックスとして販売されている。2021年8月6日には8巻、9巻が同時発売される、連載中の作品だ。

   原作者は、健康食品を販売するわかさ生活の社長・角谷建耀知(かくたに けんいち)。何故、健康食品会社の社長が原作者なのか、その謎をわかさ生活の本社で直接伺った。

  • コミックスは現在1~9巻まで刊行されている
    コミックスは現在1~9巻まで刊行されている
  • コミックスは現在1~9巻まで刊行されている

マンガ制作の動機は「野球がしたいと思う女の子が増えたら...」との思い

―― 何故、健康食品の社長でもある角谷さんが、女子高校野球のマンガを作ろうと思ったのですか?

角谷:私は健康オタクですが、高校野球オタクでもあるんです。選手権大会のすべての試合を見た事もありますし、練習試合も見に行ったりと、録画したものを何度も見直すほど好きなんです。それを知っている知人が、地元の兵庫県丹波市で女子高校野球の試合があると教えてくれ、興味本位に観戦に行った事がキッカケです。
   女子の選手でも速い球は投げるし、打球が飛んだところに飛びついていくガッツに衝撃を受けました。そして、高校球児は毎年甲子園で盛り上がっていますが、女子の硬式野球は5校(2000年代後半の時点)しかない現実も知りました。
   懸命に頑張る彼女たちの姿を見て、何か力になれればと思い、女子硬式野球部の創設や環境づくりに取り組み始めました。最初は中々厳しい意見も多かったので、どうすればいいのか考えている中でマンガ制作が浮かびました。
   マンガはフィクションの世界なので、描きたいように描けます。私が子供の頃のマンガたちが描いた近未来が、今の時代どんどん実現しているように、マンガの中で「女子も甲子園出場できる世界」を描く事で女子野球の事や野球の魅力を知ってくれる人、実際に野球がしたいと思う女の子が増えたら嬉しいなという気持ちから始まりました。現在では色んな方の力もあり5校だった女子硬式野球部が、44校にまで増えたりとしているので、嬉しいですね。
「女子も甲子園出場できる世界」を描く
「女子も甲子園出場できる世界」を描く

―― なるほど。実際にマンガの制作とはどういう体制で作られているのですか。

角谷:今は、社内にマンガの制作チームを置いて描いています。当初は健康食品の企業という事もありマンガを描けるメンバーもいなかったので、外部に依頼するなども考えましたが、進行の都合上難しくなってしまいました。
   しかし、女子野球への思いから諦めきれなかったので、自分で出来る事から始めようとシナリオ教室に通って物語を学ぶところから始めました。シナリオを書けるようになりましたが、マンガにするのはさすがに無理でした。そこで社内で働いていたメンバーに思い切って声を掛けていき、メンバーを増やしながら今の制作チームが出来ました。原作者が私なのはその経緯からです。
マンガづくりはチーム制。角谷さん(左)の原作を、谷口さん(右)らが作品に落とし込む
マンガづくりはチーム制。角谷さん(左)の原作を、谷口さん(右)らが作品に落とし込む

―― 作画を担当している「星桜高校マンガ研究会」のメンバーですね。

角谷:そうです。最初はみんな野球の知識も乏しかったのですが、実際に甲子園球場を観に行ったり、フォームの研究をしたりしながら描くことで、絵柄のレベルもどんどんと上がっています。
谷口(星桜高校マンガ研究会):私も最初はマンガ経験があった訳でなく、デザイン希望で入社しましたが「花鈴のマウンド」というマンガを作ると聞いて、興味がわいて描き手に立候補しました。
   最初はネームやコマの描き方などマンガ特有の描き方に苦労しましたが、日々描く事で自分でも絵柄が上達出来ている事を感じます。読者の方に「あのシーン良かった」と言っていただけた時などは本当に嬉しいです。
角谷:試合シーンも野球に詳しいメンバーが加わった事で、どんどんと迫力が増してきたよね。

   7月24日に開幕した第25回全国高等学校女子硬式野球選手権大会では、初めて決勝が阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)で行われる。男子大会(第103回全国高校野球選手権大会)の休養日、8月22日に開催される予定だ。

作中で描かれている甲子園球場のイラスト
作中で描かれている甲子園球場のイラスト

―― 女子野球の決勝が甲子園で行われるというニュースを聞いてどう思われましたか。「花鈴のマウンド」で描いている世界が現実になるとは予言のようですよね。

角谷:素直に嬉しかったですね。私は女子野球を知ってもらいたいという気持ちから、マンガの世界で伝えていこうとしていたので、「花鈴のマウンド」の世界が現実でも見れるのだとワクワクしています。
   「花鈴のマウンド」のストーリーもまだまだ続きますので、その世界の結末も楽しみに読んでもらえたら嬉しいです。すでに5、6年前には結末までの構想を固めているので、花鈴たちがどんな試練や試合をしながら成長していくのかを是非ご期待ください。

   「花鈴のマウンド」は主人公・花鈴だけでなく、色んなキャラクターが「夢を諦めない」姿が描かれている。現実世界の女子野球だけでなく、「花鈴のマウンド」の世界にもますます目が離せない。

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「花鈴のマウンド」の世界は、まだまだ続いていく
「花鈴のマウンド」の世界は、まだまだ続いていく

<編集:J-CASTコンテンツ企画ビジネス部>