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韓国MBCは生まれ変われるか 東京五輪「不適切放送」で革新着手へ...繰り返された「放送事故」

   東京五輪中継で「不適切放送」を繰り返した韓国放送局MBCが、企業革新を目的とした「MBC公共性強化委員会」の設置に乗り出す。複数の韓国メディアが伝えた。

   韓国メディア「NEWSIS」によると、MBCは2021年8月9日、東京五輪放送の議論をきっかけに企業全体の革新に着手することを発表した。

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開会式を皮切りに「不適切放送」止まらず

   MBCは外部関係者で構成される「公共性強化委員会」を設置し、各局傘下のコンテンツの多様性を検討する担当者を置き従業員の人権意識一体化のための集中教育を導入する案を出したという。

   また、今回の東京五輪中継の反省を踏まえ、五輪などの大規模スポーツイベントに備えて実施してきた中継アナウンサー、解説者向けの事前教育をすべてのスタッフを対象に実施し、台本、映像、字幕など事前制作物の審議を強化していくとした。

   MBCは東京五輪中継で「不適切放送」を繰り返し、その中継内容は世界的に批判を浴びた。

   7月23日に行われた開会式(東京・国立競技場)の中継では、各国選手団入場の際に不適切な画像を使用し、不適切な表現で各国選手団を紹介した。

柔道銅には「私たちが望んでいた色のメダルではありませんが」

   その2日後の25日に行われた男子サッカー1次リーグB組第2節・韓国対ルーマニア戦では、オウンゴールしたルーマニア選手を揶揄するような「不適切字幕」を中継で流し波紋を広げた。

   「不適切放送」はこれに留まることなく、翌26日には柔道男子73キロ級で銅メダルを獲得した韓国代表・安昌林に対し、実況したMBCキャスターが「私たちが望んでいた色のメダルではありませんが」とコメントし視聴者から反発の声が上がった。

   相次ぐ「不適切放送」に、MBCのパク・ソンジェ社長が公の場で謝罪会見を開く事態にまで発展。パク社長は7月26日の会見で一連の放送について謝罪し今後、再発防止に努めていくことを表明した。

   社のトップが謝罪会見を行ったにもかかわらず、事態が好転することはなかった。

男子マラソ途中棄権選手にレースが台無しに...

   7月31日には女子バレーボールの金軟景(キム・ヨンギョン)へのインタビューのなかで、記者の質問とは異なるテロップを入れた。インタビューの模様はMBCユーチューブチャンネル「Mビッグニュース」で公開され物議をかもした。

   そして東京五輪最終日の8月8日には、男子マラソンでレースを途中棄権した呉走韓(オ・ジュハン、32)に対して同局解説者がレースを台無しにしたといったニュアンスの発言をし、視聴者の反感を買った。

   前出の「NEWSIS」によると、MBCは東京五輪の「放送事故」と関連した調査は進行中であり、調査が終わり次第、関連責任者と製作陣の人事措置などを断行する予定だとしている。