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五輪柔道銅メダルの韓国代表が「日韓両国」で受けた差別 「私は絶対に偏見を持たず生きていく」

    東京五輪柔道男子73キロ級銅メダリスト安昌林(アン・チャンリム、27)が日本、韓国両国で受けた差別について告白した。

   在日韓国人3世の安は2021年8月18日放送の韓国tvNの番組に出演し、これまでの柔道人生を振り返りながら日韓両国で体験した差別を赤裸々に語った。番組での模様は複数の韓国メディアが伝えている。

  • 東京五輪柔道銅メダルの安昌林(写真:ロイター/アフロ)
    東京五輪柔道銅メダルの安昌林(写真:ロイター/アフロ)
  • 東京五輪柔道銅メダルの安昌林(写真:ロイター/アフロ)

日本の柔道名門大学から韓国へ

    日本の京都出身の安は幼いころに柔道を始め、地元の中学を卒業後に神奈川・桐蔭学園高に進学。その後、筑波大に進むも14年に韓国の大学に転校した。18年柔道世界選手権では73キロ級で優勝し、東京五輪では銅メダルに輝いた。

    地元メディアによると、番組の中で安は日本で活動していた時代について韓国籍であるゆえに出場出来ない試合があったとし、選手として目標意識を持つことが大変だったことを明かした。

   大学時代には柔道部の監督から日本への帰化を提案されたが、安は首を縦に振らなかった。韓国メディア朝鮮日報は、安の家族は安の将来を考え帰化を勧めたが安の信念は固かったと伝えた。

韓国放送局MBC「私たちが望んでいた色のメダルでは...」

    安は日本での生活の中で「朝鮮人という言葉をよく聞いた」と言い、在日韓国人を嫌悪する団体による暴動やヘイト発言などについても言及。自身の弟が学校で在日韓国人を嫌悪する団体から罵声を浴びせられたことを明かした。

   14年に韓国に渡った安は「在日(韓国人)ということがより強く感じられたのは韓国に来た時だった」と振り返り、韓国人から多くのひどい言葉を浴びせられたという。

   また、東京五輪の大会中には、銅メダルを獲得した安に対して韓国放送局MBCの実況が「私たちが望んでいた色のメダルではありませんが」とコメントし波紋を広げた。

   日本、韓国の両国で差別を体験した安は「私は絶対に偏見を持たずに生きていく決心をしました」と語った。