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乙武洋匡氏が「パラリンピックをなくしたい」と語る理由 五輪の「おまけの大会」脱却も込めた提言

   作家でタレントの乙武洋匡氏が2021年8月22日、自身の公式YouTubeチャンネルに公開した動画で、パラリンピックについて持論を展開した。

  • 乙武洋匡氏(2016年撮影)
    乙武洋匡氏(2016年撮影)
  • 乙武洋匡氏(2016年撮影)

オリパラを「1つの大会にしていきたい」

   東京パラリンピックの開会式が8月24日に迫る中、「【暴論?】パラリンピックをなくしたい【炎上覚悟】」と題した動画を公開した乙武氏。「オリンピックとパラリンピックを統合して、いつかは1つの大会にしていきたいと思っているんです」と切り出した。

   乙武氏は、パラリンピックがもともと、「傷痍軍人のリハビリのために行われたアーチェリーの大会」だったと説明し、「成り立ちが違っていたのは仕方がない。オリンピックとパラリンピックが分けられていたのは当然」と前置きしつつ、「ここから先もそれでいいのか?」と問題提起した。

   「たとえば、オリンピックの中でも男性の競技と女性の競技ってカテゴリー分けられてますよね」と乙武氏。「優劣が大きくつきすぎる」との理由から、男女以外にも、体重別で分けられている競技もあるとした上で、「健常者の部、義足の部、車いすの部、視覚障害の部というように部門を分けて、同じ大会にするということは可能だと思うし、むしろ、そっちのほうが自然だと思う」と私見を述べた。

オリンピックの"おまけの大会"という認識の改善にも期待

   さらに乙武氏は、「障害があると生身の肉体でそのままできるスポーツはそう多くない。車いすに乗ったり義足をつけたりするんですよ」としながらも、「そこが一種の(同一大会にすべきではない)線引きになるのかと考えるとそうでもない」と主張。スケートボードやBMXなど、オリンピックに採用されている競技の中にも用具の利用を前提としているものもあるとし、「用具を使うか使わないかっていうのもそんなに関係ないのかな」と話した。

   そして、乙武氏は「そういうふうに考えていくと、これまでの歴史上の成り立ちを考えれば、分けられてきたことに正当性があるけれども、今後も2つの大会を分け続ける意味っていうのは、僕はそこまでないんじゃないかなと思うんですよね」と語り、「(パラリンピックが)オリンピックの後に開かれるおまけの大会のような捉えられ方をされてしまっている部分もあることを考えると、1つの同じ大会として開かれたほうがよりアスリートにも注目が集まるでしょうし、盛り上がりの中でやれるのではないかと思います」と結論付けた。

   コメント欄には「激しく同意」「パラリンピックって呼称は無くなって欲しい」「素晴らしいです。それが多様性だと思いますし、目指す共生社会になっていくと思います」など、さまざまな意見があがっている。