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サン宝石への「買って応援」なぜ拡散? 通販サイトにアクセス殺到...支援広げた「3つの背景」

Togetter社が解説する「3分くらいで分かる週刊Twitterトレンド」<出張版>

   ツイートまとめサービスTogetter(トゥギャッター)を運営しているスタッフがTwitterで話題になった話題を厳選し、考察するコラムの第17回をお届けします。今回取り上げるのは、経営危機となった「サン宝石」をめぐる動きについてです。

  • サン宝石公式サイトより
    サン宝石公式サイトより
  • サン宝石公式サイトより
  • サン宝石公式サイトより

経営危機のニュースに騒然

   「サン宝石」は激安の雑貨やアクセサリーなどを通販メインで販売しているメーカー。小中学生の女子が好みそうなカワイイ・キラキラな商品を多数取り揃えており、価格は最安で1円からという激安ぶり。50年以上に渡って愛されているので、女性なら知っている人も多いのではないでしょうか。

   そのサン宝石が経営危機に陥っていると、信用調査会社の帝国データバンクが2021年8月30日に伝えました。この一報にネットユーザーは騒然。お世話になったお返しをしたい気持ちから、さっそく「大人買い」しようとする人が続出し、公式サイトが長時間に渡って繋がりにくくなる事態となりました。

<経営破綻した『サン宝石』に、元少女たちが出世払いで立ち上がる→こんな方法で、大人になったオタクたちが「推しの概念」作れるぞ! - Togetter>

<「今こそ大人の財力を見せてやる!」サン宝石が民事再生法申請したが、オンラインストアでは1円セールを実施→「定価で売れい!!」 - Togetter>

「買って応援」を実践する人たち

   近年、企業やお店が困っている時に「買って応援」する人は少なくありません。

   先日には緊急事態宣言による休校影響でけ、給食に使うはずだった在庫の処分に困った牛乳業者を応援しようと、焼き菓子屋さんやTwitterユーザーが立ち上がるケースがありました。

   とくに2020年からは、コロナ禍の影響を受けた「推しメーカー」に課金して応援するムーブが目立ちます。

   例えば、「白い恋人」でおなじみの石屋製菓が、賞味期限の近づいたお菓子の詰め合せセット「白い恋人で北海道にエール!BOX」を20年5月に販売したところ、発売後すぐに完売してしまったことも。

<関牛乳が「学校給食2日分の牛乳余り確定」であげた悲鳴に焼菓子専門店「bien Bake」が反応。そして『関牛乳使用カヌレ・ド・ボルドー』が爆誕 - Togetter>

<石屋製菓「白い恋人で北海道にエール」到着レポ - Togetter>

子どもの頃に夢みたことを実現させるワクワク感

   また、サン宝石については応援に加えて「自分たちにとってどんな存在だったか」「当時どの商品を購入していたか」といった思い出話もTwitterで盛り上がりました。

   なかにはサン宝石が主催した「デココンテスト」で優勝し、造形作家への道が開けたというユーザーもおり、小中学生でも手の届く価格で「カワイイ」を提供してくれるサービスは本当に意義のあるものだと語っています。

<サン宝石ぃーーーーッ!!聴こえるかーーーッ!?俺だーーッ!! - Togetter>

   サン宝石は経営危機が知られる前から「大人買いしてみた」というツイートがバズることがあり、それを見た別のユーザーがまた買ってツイートする...という連鎖が起こっていました。このような「子どもの頃の憧れを大人になって実現した話」はTwitterで話題になりやすい傾向があります。

   以前には「子どもの頃の夢を叶えました」と、サンヨー製菓の駄菓子「モロッコフルーツヨーグル」を一気食したユーザーのツイートがバズったことがありました。

<自宅待機がつらすぎてサン宝石で3000円買い物しました。「サン宝石で3000円の価値、分かりますか?」 - Togetter>

<子供の頃夢見た「モロッコヨーグル」を一気食いしたらどうなるのか「贅沢すぎる」→でもいろいろな意味でかなりヤバい - Togetter>

   今回「サン宝石」が大きな話題になった理由は、以下の3つの理由が考えられます。

・子どものころの思い出があるモノやコトは共感・共有されやすい
・「買って応援」という行為が広まっていた
・価格が安いため「大人買い」のハードルが低く、多くのユーザーが行動を起こした

   今後も自分がいいなと思ったものやお世話になったものは、大人の財力でどんどん買って応援していきたいですね!サン宝石も営業を続けていくとのことです。

   以上、Togetterがお送りする「3分くらいで分かる週刊Twitterトレンド出張版」でした。次回もお楽しみに。

Togetter編集部