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パラ閉会式の櫻井翔、熱入った「2分超えトーク」が話題 「涙が出てきた」「余韻に浸りたかった」

   嵐の櫻井翔さんは2021年9月5日に放送されたNHKの東京パラリンピック閉会式中継にゲストとして登場した。

   式の終了直後には、自身の取材に基づく合計2分超のロングトークを披露。ネット上では「すごく心に響いた」と反響が広がる一方で、一部では「(閉会式の)余韻に浸りたかった」という声も聞かれている。

  • 嵐の櫻井翔さん(画像はイメージ)
    嵐の櫻井翔さん(画像はイメージ)
  • 嵐の櫻井翔さん(画像はイメージ)

「みんな超かっこいい!」「いっぱい練習したんだろうなぁ」

   櫻井さんは嵐・相葉雅紀さんとともにNHKの東京五輪・パラリンピック放送で「スペシャルナビゲーター」を務めた。櫻井さんは17年放送のドラマ「君に捧げるエンブレム」(フジテレビ系)で、車いすバスケットボールの選手役を演じている。今大会では、その日の競技結果を振り返る「デイリーハイライト」に登場。アスリートへの取材なども行っていた。

   パラリンピック閉会式の中継ではゲストとして登場。NHKの和久田麻由子アナウンサー、阿部渉アナとともに、会場の様子を伝えた。各国の選手団が入場する際には、自身の取材や経験に基づくエピソードを積極的に披露。例えば、阿部アナが「車いすバスケ界のマイケル・ジョーダン」と呼ばれるパトリック・アンダーソン選手(カナダ代表)を紹介した際には、自身が車いすバスケの会場を取材した際の逸話を語った。

「敗退した選手に対して、ボランティアのみなさんが大きな拍手で出迎えるんですよね。そうしますと、パトリック・アンダーソン選手がお辞儀をしながら日本語で『ありがとう、ありがとう』って言いながら車いすを漕ぐ姿が...すごくなんか、かっこよかったですね」

   感情を昂らせるシーンもあった。様々な衣装の出演者がダンスを踊ったパフォーマンスでは「みんな超かっこいい!」「うわぁー、いっぱい練習したんだろうなぁーこれ!最高!」と興奮気味にパフォーマーを称えた。ツイッター上では「『いっぱい練習したんだろうな』が心に響いた」「櫻井翔の素のコトバがすごくよかった」「興奮や感動がまっすぐ伝わってきてこっちも楽しくなっちゃう」などの声が聞かれた。

聖火が消え...怒涛のコメント畳みかけ

   「櫻井節」が特に熱を帯びたのは、放送終了間際だった。聖火が消え、式典の終了がアナウンスされる中、阿部アナから大会の感想を求められた櫻井さん。畳みかけるように、思いを口にした。

「なぜ私がパラアスリートに胸打たれるかというのを、10年ほど取材してきた、そしてドラマでも演じた車いすバスケのローポインターのお話を少しさせて頂きたいと思います。背筋と腹筋が使えないのになんであんなことできるの?なんで?すごい、そう思います。僕も本当にそう思います。ただ、そもそも、ケガをして、腹筋と背筋が使えなくなったときにまずするのは、トランスファーというリハビリ、血のにじむようなトレーニングです。腕の力だけで体をもちあげて、腕の力だけで車いすに乗れるようにします。これがまず、すさまじい努力が必要なんですね。なぜアスリートとしてすごいのか、どんなところがアスリートとしてすごいのか、というと、腹筋と背筋を使わず腕と大胸筋の力だけでおよそ40分間車いすを漕ぎ続ける、これは40分間ベンチプレスを上げ続けているかのような筋肉です。そこまでに至る努力を重ねたうえで、その上でのスーパープレーを見て、感動し、胸を打たれるのだと、個人的には思っています。そしてその努力を重ねて諦めないというアスリートの姿に胸を打たれました。これはパラのみならず、オリンピックのアスリートにも同じことが言えると思っています」

   和久田アナから「選手たちの姿から、この東京大会、私たち様々なことを学びましたが、この経験を未来に繋げていかないといけませんよね」と振られると、櫻井さんは次のように語った。

「昨年引退されたブラインドサッカーの落合(啓士)選手が『このピッチの中では自由に動けるんです』とおっしゃいました。車いすラグビーの倉橋(香衣)選手は『ここでは遠慮がないんでガンガンいけるんです』といいました。あぁそうか、だからあそこでイキイキしているんだ、というところからもう一歩踏み込んで、ピッチ以外でも自由に動ける社会というのはどうしたらなれるのか、っていうのを私たち一人一人は考えなければならないのかなと感じています。ただ一方で、5~6年前に(車いすテニスの)国枝(慎吾)選手に取材したときも有明コロシアムはまだ、ベニヤ板で作ったスロープでした。それは今回取材するとバリアフリーとしてきれいに整っていましたし、日本武道館のバリアフリー化も進んでいます。オリンピック、パラリンピックの選手村なんかも、オリンピックが終わったあとパラリンピック仕様にするのを、そもそもパラリンピック仕様にしていた、オリンピック大会前からパラリンピック仕様にしていた、これは柔道の穴井(隆将)さんが提案したと聞いていますけれども、そのようにすれば、よりみんなが住みやすい共生社会になるのではないかと、思います。パラリンピアン、障害者の方がそもそも住みやすい社会を作っておけば、それはすなわち、どんな方でも過ごしやすい街になっていくのかなと感じました」

反響の一方で...「余韻に浸りたかった」の声も

   合計2分を超える櫻井さんのトークに、ツイッター上では大きな反響が集まった。日本車いすバスケットボール連盟の公式ツイッターは「櫻井翔さんが古舘伊知郎さんくらい喋ってくれてる!」と櫻井さんの喋りに興奮しつつ、「櫻井翔さんの車いすバスケットボール ローポインターのお話にマジ感謝」とツイートした。

   また、ベッドから車いすなどへの移動を意味する介護用語「トランスファー」に言及したことについては「脊髄損傷し脚が動かなくなって腕の力だけで移乗するリハビリから始まり、それがなかなかできなくてつらかった事を思い出して涙が出てきました」「櫻井くんみたいに影響力のある人がこういうことを伝えてくれるのってすごく意味がある」などの声が聞かれた。

   そして、パラリンピックのテーマでもある「共生社会の実現」について、具体的なエピソードを交えて語ったことについても「本当の意味での共生を目指す方向に目を向けていてくれて感動」「明るい未来と共生社会への希望を、自分の経験から感じたこと、考えたことをそのまま伝えてくれて、すごく心に響いた」と反響が広がった。

   ただ、ニュースのコメント欄などネット上の一部では、こんな声も聞かれている。

「ゆっくり最後の閉会式噛み締めたかった」
「最後はしっとり終わってたので、余韻に浸りたかった」
「副音声(主音声)にすることはできなかったのかな...?」

   閉会式は合唱で歌われた「What a wonderful world」(ルイ・アームストロング)のアウトロとともに聖火が消え、しめやかな雰囲気で幕を閉じた。終幕後の「余韻」を楽しみたかった人の中には、櫻井さんのコメントが気になったという人もいたようだ。