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IOC、北朝鮮を資格停止処分に 韓国にも影響甚大?南北対話の機会逸失

   国際オリンピック委員会(IOC)は2021年9月8日、北朝鮮オリンピック委員会の資格を2022年末まで停止すると公式サイトで発表した。北朝鮮の東京五輪不参加を理由とするもので、22年2月開催の北京冬季五輪も対象となる。

  • 北朝鮮の資格停止問題に揺れる韓国
    北朝鮮の資格停止問題に揺れる韓国
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北朝鮮は新型コロナウイルス対策案を拒否

   北朝鮮はオリンピック委員会の中で唯一、東京五輪の参加を拒否し、IOCはこれが五輪憲章に違反したとして今回の措置に至った。

   北朝鮮は新型コロナウイルスの感染から選手を保護することを理由に4月上旬に東京五輪不参加を決定した。一方で北朝鮮はIOCが大会を安全に運営するために提示した新型コロナウイルスの対策案を拒否していた。

   またIOCは北朝鮮の選手が有効な資格審査を経て22年北京冬季五輪の出場権を取得した場合、適切な決定を下すとした。

   北朝鮮オリンピック委員会の五輪資格停止処分のニュースは韓国メディアでも一斉に報じられ、それぞれのメディアが見解を示した。

五輪を契機に南北対話ムードを造成しようと...

   韓国の主要メディア中央日報(WEB版)は、IOCの措置は韓国政府の平和構想に影響を与えると指摘している。

   記事では、韓国政府が北京冬季五輪を契機に南北関係の改善をするだろうとの観測が強まっており、北朝鮮国務委員長が北京冬季五輪に出席すれば南北首脳会談が可能だったとしている。

   しかしIOCの制裁によって、このような青写真は期待できないとし、朝鮮半島の平和への道のりの再始動が変動する可能性があると指摘した。

   韓国メディア朝鮮日報(WEB版)は、IOCによる資格停止処分は北京冬季五輪を契機に南北対話ムードを造成しようとしていた韓国政府の計画に支障が生じることが予想されると伝えた。

   聯合ニュースによれば、青瓦台(韓国大統領府)の高官は9日、記者団に「政府はさまざまな機会を通じ、(北朝鮮との)スポーツ交流と朝鮮半島平和進展の方策を探すよう引き続き努力する」と述べたという。