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逆転Vに暗雲?巨人が直面する「厳しい現実」 痛すぎるビエイラ離脱、中田獲得も効果なく...

   三つ巴の争いが続くセ・リーグ。失速した阪神をとらえ、2021年8月下旬に首位浮上した巨人がそのまま突っ走ると思われたが、9月3日からの阪神との直接対決で風向きが変わった。

   巨人は全ての試合で先制したが、1戦目と2戦目は逆転負け。3戦目は6点のリードを追いつかれ、痛い引き分けを喫した。阪神が甲子園で息を吹き返して首位を奪回し、巨人は勢いを失った。

  • 原辰徳監督(2014年撮影)
    原辰徳監督(2014年撮影)
  • 原辰徳監督(2014年撮影)
  • 電撃加入した中田翔(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)

守護神離脱の緊急事態

   深刻なのは丸佳浩の打撃不振だ。

   9月2日のヤクルト戦から6試合連続無安打。8打数連続三振と打席の内容も悪い。直球に差し込まれ、変化球にバットが簡単に空を切る。9日のDeNA戦の9回裏に同点タイムリーを放ったが、これが26打席ぶりの安打だった。復調となるだろうか。

   前半戦は打撃絶好調だったウィーラーも快音が聞かれなくなり、坂本勇人もなかなか爆発しない。8月に電撃加入した中田翔も結果を残せず、新外国人のハイネマンも全くの未知数だ。

   さらに大きな痛手が守護神・ビエイラの戦線離脱だ。ビエイラなくして、巨人はこの位置にいなかっただろう。

   8月13日の中日戦(東京ドーム)で大谷翔平(現エンゼルス)を超えるNPB史上最速の166キロを計測。剛速球と縦に割れるスライダーを武器に抜群の安定感を誇り、NPBの外国人記録となる32試合連続無失点を達成した。

   7、8月で計12試合登板し、0勝0敗9セーブ、防御率0.00をマークし、自身初の月間MVP受賞が8日に発表されたが、皮肉にもその日に右肘違和感で登録抹消された。

「現状だと逆転優勝は厳しい」の声も

   スポーツ紙デスクはこう話す。

「ビエイラの故障はあまりにも痛い。登板過多だったのが影響したのかもしれないですね。中川皓太、昨年の守護神・デラロサが代役の抑えを務めることになると思いますが、そうなると7、8回の継投策にしわ寄せがくる。

今でも救援陣は連日登板して目一杯の状況なので最後まで持つか心配です。打線も4番の岡本和真以外は脅威を感じる打者がいない。丸はスランプに入ると長いし、日本ハムから無償トレードで獲得し、長距離砲として期待された中田翔も結果を残せていない。原監督の采配力は光りますが、現状だと逆転優勝は厳しいと思います」

   9月に入って下降線をたどっている中、攻守でミスが目立つのも気になる。ヤクルト、阪神との熾烈な優勝争いで巨人の強みは修羅場を潜り抜けてきた経験だ。絶対的守護神が戦線離脱し、主力打者たちが軒並み不振にあえぐ中でどう白星を積み重ねていくか。

   逆転でのリーグ3連覇に向け、巨人は正念場を迎えている。(中町顕吾)