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総裁選の「候補者名刺」メルカリに 規約違反なのに売買成立、最も高値が付いたのは...

   菅義偉首相が自民党総裁に選ばれた前回の総裁選では、菅氏の著書の値段が高騰し、名刺も高値で売買されたことが話題になった。名刺の出品は、フリマアプリ「メルカリ」では規約違反だ。

   今回の総裁選(2021年9月29日投開票)では、著書の価格こそ高騰していないものの、相変わらず名刺の売買は、細々とではあるが続いている。4候補者の名刺についた値段はさまざまだ。

  • 自民党総裁選には4人が立候補している。左から河野太郎行政改革相、岸田文雄前政調会長、高市早苗前総務相、野田聖子幹事長代行(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)
    自民党総裁選には4人が立候補している。左から河野太郎行政改革相、岸田文雄前政調会長、高市早苗前総務相、野田聖子幹事長代行(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)
  • 自民党総裁選には4人が立候補している。左から河野太郎行政改革相、岸田文雄前政調会長、高市早苗前総務相、野田聖子幹事長代行(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)
  • 前回の総裁選では菅義偉首相の名刺の価格が高騰した

在庫がある4候補者の著書は高騰せず

   20年9月の前回総裁選で話題になったのは、菅氏が野党時代の12年3月に出版した著書「政治家の覚悟 官僚を動かせ」(文藝春秋企画出版部)。印刷部数が少なく、電子書籍化もされていないため希少価値が高く、アマゾンマーケットプレイスやフリマアプリ「メルカリ」では3万円程度で売買された。官房長官時代の名刺も、1万7000円や1万6000円で取引が成立した。

   今回の総裁選に出馬している4候補者の著書は、ネット書店でも在庫があり、Kindleでも入手できるため、価格は高騰していない。ただ、数は少ないものの、名刺は相変わらず売買されている。

   売買のパターンは、名刺が単品で出品される場合と、総裁選の政策パンフレットとセットで出品される場合がある。

   前者のパターンが岸田文雄前政調会長と野田聖子幹事長代行だ。岸田氏の場合、現時点で確認できる、総裁選期間中に出品された名刺は1点。名刺の画像には特定ユーザーの名前を挙げて「●●様専用」という文字が入り、出品概要には

「●●様以外は購入出来ませんのでご了承くださいませ」

というただし書きがあり、7777円で取引が成立している。

   野田氏の場合、

「複数枚所有しているため、政治家さんの名刺集めてる方コレクションにいかがでしょうか?」

のうたい文句で2点出品。それぞれ4500円で売買が成立した。

政策パンフレットとの「セット売り」も

   政策パンフレットと「セット売り」されているのが高市早苗前総務相と河野太郎行政改革相の名刺だ。高市氏の場合、

   「宜しくお願い申し上げます。高市早苗」の直筆とみられるメッセージつき名刺と政策パンフレットのセットで、

「一読しましたので欲しい方にお譲りしたいと思います」

のアピールつきで2件出品。2800円、3000円で売れている。

   河野氏については、9月28日午前の時点で買い手はついていないものの、総裁選の政策パンフレット、ハガキ、直筆とみられる「宜しくお願い致します」のメッセージつき名刺の3点セットが8000円で売りに出されている。

   なお、メルカリがウェブサイトで「禁止されている出品物」として挙げているものの中には「個人情報を含む出品・投稿、個人情報の不正利用」があり、「メールアドレス、名刺、その他個人情報に該当するもの」が例示されている。

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)