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落ち武者ヘアー&顔面ピアスで「ジョニー・デップです!」 広島3区「異色候補」が訴えた政策とは

   各地で熱戦が続く衆院選(2021年10月31日投開票)。激戦が予想される広島3区には、ネット上で密かに注目を集める候補者がいる。「NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で」(以下、N党)から立候補した矢島秀平氏(29)だ。

   「落ち武者ヘアー」に「顔面ピアス」という個性的なビジュアル。異色の候補者は、今回の選挙戦で何を訴えているのだろうか。

  • 広島3区から立候補した矢島氏(8月19日、広島県庁で行われた記者会見でのようす。ジャックケイパーちゃんねるの動画より)
    広島3区から立候補した矢島氏(8月19日、広島県庁で行われた記者会見でのようす。ジャックケイパーちゃんねるの動画より)
  • 広島3区から立候補した矢島氏(8月19日、広島県庁で行われた記者会見でのようす。ジャックケイパーちゃんねるの動画より)

ロックバンドのベース担当

「みなさんこんにちは! 千葉県から来ました、ジョニー・デップです!」

   鼻と耳、口に施されたピアス。髪の中央部分だけを刈り上げた「落ち武者ヘアー」。なんとも奇抜な出で立ちの矢島氏は10月19日、JR緑井駅前(広島市安佐南区)で「第一声」をおこなった。

   広島3区と言えば、当選7回を誇る河井克行氏(前自民党)の地盤だった。しかし、19年参院選での妻・案里氏への献金問題で公職選挙法違反の罪に問われ、辞職して政界を引退。今回の選挙で自民党は候補者を擁立せず、岸田文雄(広島1区)内閣で国土交通相に選ばれた公明党・斉藤鉄夫氏(73)を与党統一候補とした。

   一方、共産党などとの「野党共闘」を進める立憲民主党からは、元教育関連会社取締役のライアン真由美氏(新人)(58)が立候補。さらに、日本維新の会・瀬木寛親氏(新人)(57)、無所属の元会社員・大山宏氏(73)、無所属の医師・玉田憲勲氏(64) ら合計6人が立候補した。

   「激戦」の様相を呈す広島3区の中で、矢島氏は異彩を放っている。同氏の公式サイトによると、千葉県市原市出身の矢島氏は、成蹊大学理工学部在学中にプロのミュージシャンを目指すため大学を中退。19年夏にはビジュアル系ロックバンド「ジャックケイパー」のベース担当として加入した。

   その後、バンドメンバーの全員が新型コロナウイルスに感染。矢島氏は「コロナに勝つ」という意味を込め、自身の髪形を「落ち武者ヘアー」に変更したのだという。

岸田首相に「ラブレター」渡そうとするも...

   3月には政治団体「ジャックケイパーによる若者の未来の為の党」を設立。その後団体名を「ブラック校則をぶっ壊す党」に変更し、今回の衆院選ではN党から出馬した。

   広島3区からの出馬理由について、8月19日に広島県庁で行われた会見では「広島3区は色々と問題が起こった地域。(有権者は)新しく出てきた人はどういう人なんだろう、と(話を)聞いてくれると思っている。そういう方々に自分の言うことを聞いてほしい」と話した。

   29歳の矢島氏が訴えているのは、若者の政治参加だ。10月19日の第一声では「現在、国会の中は腐りきっていると、たくさんの方に言われます。そんな国政を変えるには、若い力が必要。若い人の声をどんどん国会に流していって、新しい日本を作っていきたい」と意気込んだ。

   また、所属する政治団体名にもある通り、「ブラック校則」の解消にも意欲を示している。

「学校の中でよくわからない校則、『これは教育にいらないんじゃないか』という校則、あると思います。ニュースでもありました。女の子の下着の色をチェックする男性教員、マジであり得ないと思いますよね。そういった校則が全国津々浦々にあるわけです。(中略)国政のしっかりとした力を使って、校則にかかわるところを変えていきたいと思います」(19日の第一声より)

   一方で、選挙活動とは無関係にも思えるパフォーマンスも。20日には広島市内に遊説中だった岸田首相に「ラブレター」を手渡そうと画策。「ブラック校則をぶっ壊す党」のYouTubeチャンネルが21日に投稿した動画によると、矢島氏は岸田首相と「グータッチ」はできたものの、ラブレターを渡すことは叶わなかったようだ。