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RIZIN八百長疑惑、シバター否定 拡散LINE「騒ぐのは笑い者」「勝ったやつが正しい」

   大みそかの総合格闘技大会「RIZIN.33」で元K-1ウェルター級王者・久保優太(34)に勝利したYouTuber・シバター(36)が2022年1月1日、取り沙汰されている八百長疑惑について「一切のヤラセはございません」と動画上で完全否定した。

   この試合をめぐってはツイッターで、シバターと久保のやり取りとされるLINEのスクリーンショット画像が拡散。それによると、第1ラウンド(R)は時間を潰し、第2Rで「本気で倒しに来て」などとするシバターの提案を、久保が受け入れていた。だが、実際は第1R途中からシバターが攻勢に転じ、勝利していた。

  • シバターのインスタグラム(@jtshibata)より
    シバターのインスタグラム(@jtshibata)より
  • シバターのインスタグラム(@jtshibata)より
  • ヒカル(中央)、てんちむ(右から3人目)らに囲まれて勝利を報告するシバター(左から3人目)。シバターのインスタグラム(@jtshibata)より

「1R目は威力加減して2R目は本当のガチで行かせて頂けば良いのですよね!?」

   試合は21年12月31日にさいたまスーパーアリーナで開催。3分2Rで判定はなく、勝敗は1本勝ち・TKOで決するルールだった。

   1R開始早々、久保は距離を詰めてローキックを入れる。対するシバターは、両膝をついて許しを乞う米プロレスラーのリック・フレアーばりのパフォーマンスを見せるなど防戦一方。ところが1分過ぎ、シバターの右フックが入ると形勢逆転する。一気に攻勢に出たシバターが、最後は飛びつきの腕ひしぎ十字固めを決め、1Rで1本勝ちを収めた。

   元K-1王者を破ったYouTuberとして注目を集める中、ツイッターで出回ったLINEのスクリーンショットが禍根を残した。シバターと久保のやり取りとされるもので、シバターは「明日は台本なしでやりましょうか」「これだけお願いなのですが 多分いつでも私を仕留められると思うので 出来れば2ラウンド目に決めてください」「視聴率や、(編注:YouTuberの)てんちむさんにラウンドガールお願いしてたりするので 1ラウンド目はめちゃくちゃ私ふざけるので 1ラウンド目うまく時間潰して 2ラウンド目で本気で倒しに来てください」「私も2ラウンド目は本気で行きます」などと提案している。

   そのLINE上で久保は「明日は台本なしで正々堂々承知致しました!」「1R目は威力加減して2R目は本当のガチで行かせて頂けば良いのですよね!?」などと確認し、シバターは「はい。そんな感じでお願いします」と応じていた。

   LINEが本物であれば、対戦者同士で試合展開を打ち合わせる内容となっており、ツイッターで八百長疑惑が持ち上がった。「これがもし疑惑が明らかになり シバターさんと久保さんのLINEのやり取りが本物であったらシバターさんは格闘技は勿論YouTubeも辞めるべき」などと糾弾する声があがる一方、LINEの内容と試合結果は異なっているため「昨日の試合を見て、わかると思うけど、あれ八百長でもなんでもないガチ試合よ。LINEの通りなら2ラウンドからでしょうよ。久保はシバターに色んな意味でやられただけ」という向きもある。

「プロ格闘家でしょ? 絶対飲んじゃダメでしょ、そんなの」

   敗れた久保は22年1月1日、ツイッターを更新。具体的に何についてかは明言していないが、「嘘をつく人生は嫌だな。正直者が馬鹿を見るのか。騙されるより騙される方がいいのか。自分は真面目に誠実に紳士に生きたい。色々疲れた。事の経緯とかも全部きちんと話したい」と意味深な言葉を投稿した。

   一方のシバターは同日、YouTubeチャンネル「PROWRESTLING SHIBATAR ZZ」に「RIZIN大晦日大会での疑惑について」と題した動画を投稿。拡散したLINEのスクリーンショットについて言及し、「私、当人ですのではっきり言いますね。私シバター、昨日の久保さんとの試合において、一切の八百長はしておりません」と八百長を完全に否定した。「試合が始まってから試合が終わるまで、常に全力で本気で勝ちにいっていました」という。

   拡散しているLINEについても「全く身に覚えがありません。捏造なんじゃないですか?」と自身のものであることを否定。ただ「もし仮に万が一、あれが本物だったとしたら」と仮定しながら、こう持論も展開した。

「シバターからそういう打診が久保さんに送られていたとしたら、久保さんって元K-1チャンピオンでしょ? プロ格闘家でしょ? 絶対飲んじゃダメでしょ、そんなの。飲んだフリしても『分かった、じゃあ1R目は流しましょうね』と言っといて、1Rでマジに仕留めに行かないとダメでしょ。飲んだフリして殺しに行く」
「もし1R目で流すつもりだったとしても、シバターが本気で仕掛けてきたら、対処しなきゃダメでしょ。プロなんだから」
「(格闘技は)いわば戦場ですよ。たとえば後ろから奇襲で撃ってきたやつがいる。後ろから撃たれたとしてさ、『ずるいずるい、後ろから撃たれた、ずるいずるい』という兵士、どこにいますか? 当たり前でしょそんなの。勝つために、そりゃ後ろから撃つでしょ、罠も仕掛けるでしょ。『後ろから撃たれた』なんて騒ぐ奴いたら笑い者ですよ」

「仮にそういうのがあったとしても、そこは勝たなきゃダメでしょ」

   シバターは動画で「僕は打診してない。ヤラセなんか持ち掛けてない」と繰り返し疑惑を否定しつつ、「もし仮にそういうのがあったとしても、そこは勝たなきゃダメでしょ。負けたら何も言うパワーねえよ。勝った奴が正しいんだから、この世界」と吐き捨てた。

   1日のインスタグラムの投稿で「昨日はノーダメージだった」としていたシバターだが、今回の動画では「物凄い大きなケガをしまして。人生最大の痔ができました」とも明かす。試合に向けたストレスでできたと考えており、試合前の心境を「殺されると思ってた」などと明かした上で、「何としても生き延びるために、いろいろ頭を使い、策を練ってあの試合に臨みました。試合は最初から最後まで全部本気でした」と話した。

   八百長疑惑をめぐる論争については「試合後も盛り上がっていただければこれ幸いでございますので、皆さん昨日の久保-シバター戦について是非いろいろ議論して、いろいろ思うことをSNSなりコメント欄なりいろんなところに書いて、是非盛り上がってください」と呼びかけていた。

   動画には「この騒動が起こったことと、この動画までがシバターの想定内だったとしたら、さすが炎上系YouTuberだな」「久保さんが心配すぎる・・受けなければ良かったのに・・。勝っても負けてもシバターさんがおいしいだけ」などと様々なコメントが届いている。