2024年 4月 24日 (水)

SNSなりすましで私は仕事を失った 加害者は友人...和解勝ち取った被害者の記録

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「被害者と加害者は表裏一体」

   Aさんは、加害者の身元が判明した段階でこれまでの経緯をツイッターで報告していた。

   毅然と戦うという意思を相手に伝えるとともに、「力尽きるかもしれない」との不安からだった。

「特定までに1年近くかかり、再就職の不安もあり精神的に病んでしまって、解決するまで持たないかもしれない。もし訴訟がうまくいかなかった場合に、インターネットに全てぶちまけてしまう恐れもありました。私は相手の名前も勤務先も知っていて、教育関係者としての職業人生といったら言い過ぎかもしれませんが、それを終わらせてしまうことが出来てしまう。非常に恐ろしいことです。相手と同じようなことをして仕事を失わせてしまうことができる。うまくいかなかった時に、それだけはやっちゃいけないことだと思って、復讐はしませんと公に宣言しました」

   Aさんはツイートで「私は私刑を望みません。自分を正義と思い込んだ時、人は驚くほど残虐になります。被害者と加害者は表裏一体、どちらに転じるのも一瞬です」と自らに語りかけるように呼びかけていた。

「私は教員をやっていたので、子供たちの顔が浮かびますよね。復讐する私をみたら子どもたちはどう思うのかなって。当たり前のことですが、画面の向こうには生身の人間がいますので、みんなで石を投げているから大丈夫というのはないんですよね。そんな悲しいことはしちゃだめですよ」
「でも何年も暮らしていくだけのお金があるわけではないので、すぐに再就職しないといけない。なりすました人物も特定しないといけない。つらかったですが、支えてくれた人もいたんです。悪い方に進まなくて良かった。復讐に燃えずに済んだのは優しい人たちのお陰でもあります。この人たちを悲しませたくないなと思って」

   ツイッターでは「顔が見えない相手に残酷な仕打ちをする人が思いとどまりますように。傷付けられたまま泣き寝入りする人の勇気になりますように。悲しい争いが無くなることを祈っています」とも書き込んでいた。

   今後については「私を見捨てないでいてくれる人を大事にしようと思っています」と話す。

「フリーランスとしてクリエイティブな仕事をしたかったので、自分を信じてくれる人のために頑張ろうと今は活動しています。見捨てないでいてくれた友人もいますし、状況を知って仕事をくれた人もたくさんいた。その人たちの方を向いて生きていきたいです」

(J-CASTニュース編集部 谷本陵)

(2023年3月15日追記:Aさんの申し出により、記事の一部を変更しました)
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