読むべき本、見逃していない?

町はいろいろあった方が暮らしやすい

書評掲載元:週刊東洋経済 9月23日号
  • 書名 町を住みこなす
  • サブタイトル超高齢社会の居場所づくり
  • 監修・編集・著者名大月敏雄 著
  • 出版社名岩波書店
  • 出版年月日2017年7月28日
  • 定価本体860円+税
  • 判型・ページ数新書判・241ページ
  • ISBN9784004316718
BOOKウォッチ編集部コメント
 

 高齢化社会の進行とともに、日本の住宅の3割が空き家になる日も近いと言われている。東京近郊のニュータウンでは、子ども世代が出て行き、残ったのは老人世帯ばかりで、買い物にも不自由するような「過疎」が生じているところもあるという。

 

 著者は東大大学院工学系研究科教授で建築計画学の専門家。多くの自治体などのデータを駆使して、分譲系の住宅は、「35歳と生まれたて」の家族を対象に売られ、時間の経過とともに高齢者ばかりが残ることを明らかにした。

 

 高度成長期に開発されたニュータウンに限らず、日本では用途指定、建築協定、地区計画などの規制が強く、「よかれと思ってつくった協定が、高齢者が快適に住み続けられる自主的環境づくりを阻害している、自縄自縛的状況が見られる」と指摘する。

 著者は、同潤会アパートの研究からスタートし、集合住宅でもいろいろな居住形態があること、言い換えれば「住みこなし」がされることを知った。さらに、戸建て住宅でも同様の「住みこなし」があるという。

 評者の渡辺靖氏(慶応義塾大学環境情報学部教授)は「鍵は多様性の確保だ。さまざまな暮らしのパターンを可能にする多様な種類の住宅を用意すること。人口構成が偏らないよう計画的に販売すること......。本書では具体的で説得力ある知見や提言がふんだんに開示されている」と評価している。

 親世帯と子世帯が地域で離散的にくらす「近居」、同じ町の中で移り住む「Gターン」といった新しいキーワードを挙げているのも興味深い。

オンライン書店で詳しく見る(購入もできます)

デイリーBOOKウォッチの一覧

一覧をみる >

当サイトご覧の皆様!

おすすめの本を教えてください。
本のリクエスト承ります!

出版社の皆様!

御社の書籍も、
BOOKウォッチに
掲載してみませんか?

sub