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100歳まで現役でがんばるだろう、この人は

紀州のドン・ファン

 

 昨年(2016年)2月に和歌山県の男性が、交際していた50歳下の女性に6000万円相当の金品を盗まれるという事件があった。みなさんご記憶だろうか。あまりおおっぴらに出来ないような状況だったので、匿名報道になるかと思っていたら、なんと男性はテレビのワイドショーの取材に堂々と顔を出して応じ、被疑者の女性をかばうような発言をしたので驚いた。続いて週刊誌もこう報じた。

 

 和歌山6千万円窃盗事件 74歳"大富豪"が赤面証言「容疑者とは3回して、翌日盗まれた」(週刊文春 2016年3月10日号)
 私はこうして「美女4000人」に30億円をつぎ込んだ(週刊現代 2016年5月7・14日号)

 

 この男性が著者の野崎幸助さん(76)である。カネ儲けの方法、女性の口説き方、生涯現役の秘訣、愛人に大金を持ち逃げされた事件のことなど、あけすけに語ったのが本書『紀州のドン・ファン』(講談社α文庫)である。和歌山県田辺市に7人きょうだいの三男に生まれた野崎さんは、中学を卒業するころ、ある志を立てた。「金持ちになって女性とエッチしたい」

コンドームの行商で成功

 

 中学を出て名古屋に就職したが失意のうちに帰郷、鉄くず拾いをする日々。先輩から「資本家にならないとだめだ。そのために種銭をためろ」と教えられ、始めたのがコンドームの行商だった。これが当たった。やがて金融業を始めた。転機になったのが東京への進出だという。霞が関に勤める国家公務員を対象に金を貸したのだ。とりっぱぐれのない堅い商売。南紀白浜空港が近いので、和歌山と東京を往復しながら事業を拡大、そして稼いだ大金を女性との交際に湯水のようにつぎ込んできたという。そのあからさまな表現は、いっそ清々しいくらいだ。一種の奇書と言っていいだろう。

 

 さて、女性にもてる秘訣とはなんだろう? それは本書を読んでほしい。目標を持ち、それに向かって邁進する。野崎さんはおそらく100歳まで現役でがんばることだろう。

 
  • 書名 紀州のドン・ファン
  • サブタイトル美女4000人に30億円を貢いだ男
  • 監修・編集・著者名野崎幸助 著
  • 出版社名講談社
  • 出版年月日2016年12月20日
  • 定価本体780円+税
  • 判型・ページ数文庫判・289ページ
  • ISBN9784062817097
 

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