読むべき本、見逃していない?

お父さんの名前は最近あまり聞かないが......

  • 書名 日本再興戦略
  • 監修・編集・著者名落合陽一 著
  • 出版社名幻冬舎
  • 出版年月日2018年1月30日
  • 定価本体1400円+税
  • 判型・ページ数四六判・254ページ
  • ISBN9784344032170
BOOKウォッチ編集部コメント

 「日本再興」とか「戦略」とか勇ましいことばがタイトルに入っている本は、ふだん敬遠するのだが、この本『日本再興戦略』(幻冬舎)だけは別だ。著者の落合陽一さんは1987年生まれのメディアアーティストにして以下の肩書きをもつ。筑波大学学長補佐・准教授・デジタルネイチャー推進戦略研究基盤基盤長、大阪芸術大学客員教授、デジタルハリウッド大学客員教授を兼務。ピクシーダストテクノロジーズCEO。それらの肩書きはともかく以前、落合さんの作品をテレビで見てその凄さに驚嘆してから何かと気になっていたのだ。

 「今、世界でもっとも注目される日本人科学者が描く希望の国のグランドデザイン」と書かれた本の帯もけっして誇大宣伝ではない。人口減少・高齢化は日本にとって逆にチャンスであるとして、テクノロジーを活用した日本の再興策を具体的にさまざま提示している。

 専門である教育にかんしても「幼稚園には行かなくてもいい」「センター試験をやめよ」「大学生には、研究をさせよ」「MBAよりもアート」「英語力よりも日本語力」と有意義な提案をしている。

 多くの仕事を並行して進めているため超多忙なようだ。しかし「ポジションを取れ。批評家になるな。手を動かせ。金を稼げ。画一的な基準を持つな」と学生たちに檄をとばしてプロジェクトを推進するさまは、さながら「現代の坂本竜馬」といった趣すらある。

 落合さんは2017年12月に筑波大学の助教をやめて、同時に同大学内にデジタルネイチャー推進戦略研究基盤を立ち上げ、基盤長・准教授になった。給料は国ではなく、自分で企業などから金を集めて、自分の会社から自分に給料をもらうというシステムに変えたという。日本の国立大学では初めての試みだそうだ。このスキームで研究室で働く学生たちにも賃金を払えるようになったという。

 テクノロジーとアートを融合した新しいことが動き始めたのを実感する。反響も大きく8万部を超えるヒットとなった。各章ごとに多くの注がつき、学生のみならず社会人にも有用だ。ぜひ多くの方に読んでもらいたい。

 ちなみに落合さんは作家落合信彦氏のご子息で、開成高校から筑波大学に進んだ(その後、東大大学院学際情報学府博士課程修了)。東大に進まなかったからこそ、今日があると思ったのは評者だけだろうか。

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