読むべき本、見逃していない?

3時間で1週間分作り置きする伝説の家政婦、自宅で作る料理とは?

  • 書名 志麻さんの自宅レシピ
  • 監修・編集・著者名タサン志麻 著
  • 出版社名講談社
  • 出版年月日2018年9月25日
  • 定価本体1300円+税
  • 判型・ページ数四六判・111ページ
  • ISBN9784065125762
BOOKウォッチ編集部コメント

 「予約が取れない伝説の家政婦」という異名を持つタサン志麻さんの仕事ぶりを、NHK『プロフェッショナル 仕事の流儀』で見て圧倒されたことがある。各家庭の冷蔵庫にある食材で家族構成や好みに応じた料理を3時間で1週間分作り、風のように去ってゆく。共働きの主婦からの要請が多いと紹介されていた。

 そんな志麻さんだから、「作り置き」のイメージを持たれがちだが、自宅では作り置きはしないという。お客さんから1週間分の作り置きを依頼されるから仕事としてやっているのであって、自宅ではまとまった時間がないので、30分以内にちゃちゃっと作って食べるのが基本だそうだ。本書『志麻さんの自宅レシピ』(講談社)は、すぐに作れる76のレシピを紹介している。

 使われている食材は近所のスーパーの特売肉や、特売野菜、冷蔵庫の残りものなど身近なものばかり。そんな普通の食材をおいしく生まれ変わらせるために、フランスの三ツ星レストランで研修し、日本の有名フランス料理店で15年働いた志麻さんのシェフ経験を活かした調理テクニックが隋所に書かれている。

 たとえば、安い鶏肉は、たっぷりの油・中火で皮目をしっかり焼いて臭みを取るのがコツ。鶏の照り焼き丼のレシピはこうだ。塩・こしょうした肉に片栗粉を薄くまぶし、油をひいたフライパンで皮目から弱火~中火で動かさずに10分ほど焼く。肉の周囲が2割ほど白くなったらひっくり返していい合図だという。油をキッチンペーパーで取り、みりん→砂糖→しょうゆの順にたれの材料をからめる。志麻さんのお宅では必ずごはんを冷凍しているから、ごはんの上に盛りつければ完成だ。このような、すぐ出来るワンプレートごはんが32種類紹介されている。ひとつずつ作っても1か月はかかるので、飽きないだろう。

 これからの季節、使うことの多いきのこもたっぷりの油・強めの火力・加熱後に塩をするのがポイントだ。また、炒め物はザルにあげて、余分な油や水気を切るのが大事だ。肉野菜炒めは、野菜を中火で加熱後、ザルにあげておく。肉を炒めたところで野菜を戻し入れ、さっと炒めると完成だ。

コンフィって何?

 本書には「コンフィ」が何回か出てくる。油煮のことだ。肉はやわらかく、野菜は糖度が増して甘くおいしくなるという。また油が抜けきるので、油っこくはならない。2週間に1度程度火入れをすれば、ずっと持つ。食材の旨味も抽出されるので、肉や野菜の炒め物にも最高だという。鶏もも肉のコンフィは身の方にもしっかり塩・こしょうして、最低でも60分以上(一晩)冷蔵庫で寝かせたものをたっぷりの油に入れて弱火で60分ふたをせずに煮る。煮上がったら、フライパンで表面を焼き色がつくまで2~3分焼くと完成。ぱりっとしておいしそうだ。

 本欄では、料理研究家の有元葉子さんが書いた『レシピを見ないで作れるようになりましょう。』や元朝日新聞記者の稲垣えみ子さんが書いた『もうレシピ本はいらない』を紹介した。それらをマスターすれば、レシピなしでもありあわせの材料で簡単に作れそうだが、本書が紹介したワンプレートごはんを覚えるだけでも相当レパートリーは広がりそうだ。  

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