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男性用尿もれパッドも売れる時代、いいトレーニングがある

尿トレ

 筋トレは聞いたことがあるが、尿トレは初耳だ。本書『尿トレ』(方丈社)は、尿もれや失禁、頻尿などの排尿トラブルをトレーニングによって解消し、すっきりとした気分で健康に生きようと呼びかける本だ。

 本書に収められたデータによると、尿もれのある人は40代以上で約3人に1人いる。女性は30代でも約5人に1人、男性は70代になると半数近くが訴える。

 また、月に1回以上の排尿トラブルのある人を対象にした調査では、「夜中にトイレに起きる・よく眠れない」と答えた人が45.3%、「トイレに行く回数が多い」38.1%、「外出先の困りごと」24.3%となっている。

 女性の方が体の構造上、尿もれが起きやすいが、男性も50代以降、男性ホルモンの低下に伴う前立腺肥大などにより、尿もれしやすくなるという。特に排尿後のしずくで下着などを濡らす「しずく漏れ」は20代~50代の男性の8割が経験したという調査も紹介している。

 本書によると、尿トレの最重要ポイントは尿道括約筋など「骨盤底筋群」だそうだ。図解つきで具体的なトレーニング方法を紹介している。また「計画的におしっこをがまんして、徐々に排尿期間を延ばし、膀胱にためられる量を増やす」膀胱訓練も、ある種の排尿トラブルには有効だという。

 トラブルの中には心因性の頻尿もあるので、ストレス対策も効果的なようだ。

 本書の医学監修にあたった独協医科大学排泄機能センター主任教授の山西友典さんは「夜間頻尿や睡眠の質について悩んだら、自分の平均的な睡眠時間を考慮し、早寝しすぎないこともセルフケアの一つ」とアドバイスしている。

 また本書の取材に多く登場する西村かおるさん主宰のNPO法人、日本コンチネンス協会のほか、多くのおむつメーカーにも相談窓口があり、本書で紹介している。

 最近、男性用の軽失禁パッドのCMがよく流れているが、2014年から同種の製品が発売ラッシュになっていたという。女性に比べて男性は、相談どころか尿もれ自体を認めたくないプライドがある。CMを見て、自分だけの悩みではないと知った人も多いだろう。本書の男性編集者が尿もれパッドを初めてつけた体験記を巻末に載せている。装着感はほとんどなく、「もれても安心というより、気が張っているのか、むしろ尿はもれなかった。これもパッド効果なのかもしれない」とのこと。   

  • 書名 尿トレ
  • サブタイトル誰にも言えない尿のトラブル「スッキリ解消!」ブック
  • 監修・編集・著者名医療監修 山西友典、構成 斉藤直子、下平貴子
  • 出版社名方丈社
  • 出版年月日2018年10月 5日
  • 定価本体1300円+税
  • 判型・ページ数四六判・174ページ
  • ISBN9784908925375
 

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