読むべき本、見逃していない?

日本人がビル・ゲイツやジョージ・ルーカスに到底かなわない理由

  • 書名 寄付をしてみよう、と思ったら読む本
  • 監修・編集・著者名渋澤 健 著、鵜尾 雅隆 著
  • 出版社名日本経済新聞出版社
  • 出版年月日2018年11月21日
  • 定価本体1500円+税
  • 判型・ページ数四六判・256ページ
  • ISBN9784532357986
BOOKウォッチ編集部コメント

 このところ日本でも個人で寄付をする人が増えているそうだ。本書『寄付をしてみよう、と思ったら読む本』(日本経済新聞出版社)は、そうした動向に注目し、さらに寄付を促進しようとする案内書だ。寄付金はどこでどう使われているのか。寄付するのはどんな方法があるのか。様々な事例を紹介している。

東日本大震災で急増

 本書によると、2010年の個人寄付総額は4874億円だったが、16年は7756億円。寄付した人の割合も、10年の33.7%から16年には45.4%にまで伸びている。ざっくりいうと、2人に1人が寄付をするようになりつつある。

 とりわけ東日本大震災が起きた2011年は急増した。個人寄付総額は1兆182億円、寄付者比率は68.6%にもなっていたという。この3.11の経験がきっかけとなり、その後も大勢として、個人寄付に積極的な傾向が継続しているということのようだ。

 3.11の後も、日本では熊本や北海道の地震、西日本豪雨など自然災害が尽きない。ボランティアに参加する人も目立っている。メディアで報道されるケースも多い。自分にできる何らかの社会貢献をしたい、と思って行動する人は確実に増えていることは間違いないだろう。

 本書は5章に分かれている。第2章の「こんな所で寄付が使われている」では、様々な寄付の使われ方を伝える。第3章「寄付をめぐる環境は様変わり」では、寄付先の選び方などを説明している。カードやポイントによる寄付、クラウドファンディング、税制優遇や寄付控除、遺贈寄付などの新しい動きにも触れている。

 著者の鵜尾雅隆さんは、日本ファンドレイジング協会を立ち上げ、日本における寄付ムーブメントの旗振り役。渋澤健さんは投信会社の会長で、「寄付月間」推進委員会の委員などを務めてきた。

復興特別税を徴収されている

 本書によれば、日本でも個人寄付が増えてきたとはいえ、個人寄付の名目GDPに占める割合は、まだ0.1%にすぎない。英国の1兆5035億(GDP比0.5%)、米国の30兆6664億円(GDP比1.4%)と大きな差がある。

 

 もちろんそこには、キリスト教に基づいたチャリティの伝統もあるのだろう。サンタクロースなども、広義の寄付行為かもしれない。

 とりわけアメリカではマイクロソフトのビル・ゲイツ氏のように、とてつもない額の寄付をする人がいる。すでにトータルで何兆円もの寄付をしているようだ。一人で、日本全体の数年分に当たる。「スター・ウォーズ」のジョージ・ルーカスも、ルーカス・フィルムをディズニーに売って得た何千億円かの大半を、慈善事業に寄付するということで話題になった。

 アメリカでは大金持ちが大口寄付をして、寄付行為のけん引役になっている。文化芸術支援などでもそうした側面がある。富裕層に寄付を呼び掛ける団体もあるそうだ。日本人でも寄付をする資産家がいるが、税制の違いもあって桁が違う。

 ところで、寄付ではないが、日本では3.11以降、復興特別税というのがあることを思い出した。税金が上乗せされて徴収されている。25年間続くというから、積算すると相当な額になる人もいるはずだ。これは形を変えた国民の寄付なのかもしれないと思ったりしたが、どうなのだろうか。

 本欄では最近の新しい寄付、『遺贈寄付』については、すでに紹介ずみだ。

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